プロダクションノート

プレスコと故・地井武男

 日本のアニメーション作品の多くは、先にアニメーションを制作し、 動きに合わせて声をあてるアフレコ(アフター・レコーディング)という方法をとる。しかし、世界では声を先に録り、その声に基づいて画を描くプレスコ(プレスコアリング)が主流だ。
 より実感がこもった演技を求める高畑監督は、自作の多くでプレスコを採用している。今回も芝居の本職である役者たちの力を借りるためにプレスコを選択し、2011年夏に画に先行して声を録音した。映画の完成前に亡くなられた地井武男さん(2012年6月没)が本作に翁役として出演できていたのもそのためである。
 プレスコ当時、地井さんは台本を読んですぐに高畑監督に質問した。「高畑監督、これは地球を否定する映画なんですか?」すかさず高畑監督は「まったく逆です、これは地球を肯定する映画なんです」と応じた。その後、その答えに安心してか、70歳近い声優初心者は楽しそうにプレスコを続けたという。

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