制作日誌 1996年1月


96.1.05(金)
 仕事始め。年始めの挨拶で鈴木プロデューサーから「今年は夏休みなし」との話しあり。

96.1.06(土)
 いずれ作画監督の補佐として原画マンの中から一人を起用しなければならないため、外の原画マンに声をかけまくるも、ことごとく断られる。宮崎監督の恐ろしさや、ジブリの管理の厳しさが業界では伝説となっているらしい(ホントはそんなことはない)。
 年末に日本テレビで「となりのトトロ」を放映した時に流した「もののけ姫」TV用第一弾スポットを見て、しばらく休職していた二木真希子さんが、原画を描きたいと連絡してきた。3月1日より参加決定。

96.1.11(木)
 「若者達は20世紀の歴史を知らなさ過ぎる」との宮崎監督の一言で第一回「映像の世紀」を観る会が開催される。

96.1.12(金)
 仕上げのメインスタジオの一つ、IMスタジオに絵の具を持っていこうとするが、絵の具の数が多すぎて1台のバンでは載らず、もう一台車を出す。改めて今作品の絵の具の多さを確認。

96.1.15(月)
 出版部柳沢女史が結婚。スタッフにショックを受けた者多数。

96.1.16(火)
  CUT166.168 兼用カットの背景動画を、試しにCGで作ってみることになり、CG部片塰氏が、2時間程で簡単な動きの画面を作り上げた。それを見た宮崎監督、アニメーターを入れ代わりたちかわり連れてきては「どうだ凄いだろう! CG部の夜明けだ」と大興奮。今まで宮崎監督に「遅い」だの「役に立たない」などと言われていたCG部もホッと一安心。

96.1.17 (水)
 デジタルペイントのテストラッシュ完成。手仕上げのもと混ぜてスタッフの前で上映するも、誰も区別がつかず。

96.1.20(土)
 万全の準備で望んだはずのトレスカーボンに問題が発生。サンプルでもらったものより本番用のものが剥げやすくなっているらしい。これ以上品質が悪くならなければこのままいくしかないだろう。ただ祈るのみ。

96.1.25(木)
 第二回「映像の世紀」を観る会が開催される。

96.1.26(金)
 本作品の特殊効果も谷藤薫児氏に正式決定。
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