草原をわたる風を感じたのは
満天の星空に思いを馳せたのは
夢を見たのはいつだったか
人は現実だけでは生きられないのに
伊藤君は冬の間木炭焼きを生業としている
仕事は山から木を伐り出して木炭にすること
夢の中に現れた樹霊たちのささやきは、
木を伐らないことを訴えて、
山によって生かされている主人公の心を揺らす
伐った木は大事に使ってくれよ
それが種山ヶ原の木の願い
生きているのは人間だけではない
80年の時を超え、
賢治の知られざる傑作を、
日本の原風景を描く男鹿和雄が、
紙芝居映像という手法で作り上げた第一回監督作品