2006年10月
10月2日(月)
いよいよ次回作○○○の制作が本格的に始動!午前中は、制作スタッフ全員が第2スタジオ地下の試写室に集められ、宮崎監督自らが、テストカットの映像を見せつつ今回の作品内容や制作方針について説明する。監督の新たな挑戦となる次回作○○○に期待と不安が膨らむ思い。
そして午後からは早速、作画打ち合わせ。といっても、今日は3人で終了。明日もまだまだ作画打ち合わせは続く予定。
「監督登場。緊張の一瞬」
10月3日(火)
今日も朝から○○○の作打ち。9人分の打ち合わせが終了し、Aパートの作打ちは、一部を除きほぼ終了。明日からBパートに入るのだが、残念ながらまだBパートの絵コンテは完成していない。夕方に宮崎監督からBパートの一部の絵コンテを貰い、明日の作打ちに備えることに。
10月4日(水)
ジブリでは長編以外でもいろいろな作品を並行して作っている。そのひとつは美術館の「動きはじめの部屋」で展示されている“フィルムぐるぐる”の最新作。今日は、その動画の打ち合わせが行われる。美術館に行かれたことがある方はご存知かもしれないが、子どもたちに映画はフィルムで上映されていることを理解してもらうための大掛かりな展示装置で、アニメーションのフィルムがループして繰り返し繰り返し上映されている。今回も奇想天外な発想で作画されているのだが、その枚数が何と1カット約2500枚!まだ完成時期は見えないのだが、出来上がったら、ぜひ美術館で観て欲しい。
「これがフィルムぐるぐるだ!」©Museo d'Arte Ghibli
10月5日(木)
さて昨日に続き、並行して制作している作品として、井上直久さんのDVD「イバラード□□」も進行中。このDVDは井上さんの描くイバラードの世界を音楽と共に鑑賞する映像作品で、基本的には動かない絵にカメラワークをつけ、CGを使ったり一部作画によって動かしていくように見せている。アニメーションのように動かすというよりは、風や光や人物などの動きを足すことにより、絵を生きている風景に見せているのである。今日は、大阪から井上さんが来社をしていただき、進行している作画のチェックをしていただく。まだまだ途中なのだが、その出来具合に井上さん本人が一番興奮しているようだった。この作品の完成ももう少し先のことですが、ぜひ、楽しみにしていてください。
夜、「ゲド戦記」のインターネット宣伝で大変頑張っているフォアキャストの堂園さんを、若手宣伝スタッフの発案で接待することに。とはいえ行くのは、いつもの駅近くの”寛”という居酒屋である。この季節、サンマがとにかく旨く、一巻100円のサンマの握りは超おすすめ品。ところが、この日に限って期待していたのサンマの握りがなく、仕方なくサンマの塩焼きを3匹も頼んでしまったのであったが...。(追加でおもわず白ゴハンも)
10月6日(金)
メインスタッフに置かれている色彩設計の保田さんのマシンが突如、クラッシュ!作品制作はまだまだ序盤なので作業に支障はないものの、追い込み時にはこんなことがないよう祈りたい。
今年はどうやらコンピューター、システム関係の厄年のようで、システムを入れ替えた途端に地下のサーバールームが水浸しになったり、落雷でシステムの一部がクラッシュしてしまう事故も起きている。そんなわけで、3人のエキスパートたちで構成されているシステム部は日夜不眠不休(本当?)の態勢でコンピューターの管理をしてくれている。本当に頭が下がる思い。
そのシステム部の長である北川内氏は、今週、ようやく遅い夏休みで旅行に出かけている。出発前どこへでかけるのか一切明かしていかなかったのだが、その代わりに毎日会社宛にメールで写真を送ってきている。しかし、会社中のスタッフに見せてまわっても、だれもその場所が特定できない。ちょっと悔しい。彼は一体今どこに?まあ、どこにいても構わないが、無事に帰還さえしてくれれば。
「彼は何処へ?」
ところで今日は、一日中、本格的な雨模様。なんとなくお天気が荒れた日はスタジオは静かだし、デスクワークもはかどるというもの。夕方、第一スタジオに行った戻りに第三スタジオを外から見ると、まるで、先週見たCG映画に出てくる建物の様。どことなくハロウィンっぽい感じもするのだが、どうだろう。
「ちょっとだけホラーな感じの第三スタジオの外観」
10月7日(土)
夕方、一スタの玄関に自転車用の荷物がたくさん並んでいる。そうか、明日は、アニメーション業界の秋の自転車イベントの日なのである。今年は、ちょっと風はあるけれど珍しく天気も良く、みんな完走できればいいなぁと、他人事ながら応援する気持ち。外にでると、十五夜ではないけれどとてもきれいな満月が、見守るようにのぼってきていた。
10月8日(日)
「ツーリング・デ・信州」
10月10日(火)
次回作○○○の絵コンテのBパートが完成する。これまでに比べたら、とても快調なペースでコンテが出来上がっているので、制作部としては諸手を挙げて喜びたいところなのだが、そのコンテの内容が物凄い!現場のことを考えるとその大変さが予想されて涙が浮かぶ(笑)。制作部全員で夜中に絵コンテのコピーを取りながら、今回だけは観客になりたいとしみじみ語り合ったのだった。
またこの日、鈴木Pが心より応援する中日ドラゴンズがセリーグ優勝を決める。おめでとうございます。思えば今年は、「ゲド戦記」の竜に始まり、ドラゴンズの優勝で締めくくるという「竜」づくしの一年だった。鈴木さんにとっては最高の一年ではないだろうか。あと目指すは、ドラゴンズの日本一だけですね。
10月11日(水)
制作進行の慎太郎は最近、丸刈りのヘアスタイルにしている。年齢が若いこともあるが顔も童顔なので、まるで高校生のような風貌。このヘアスタイルは、どうやら自宅でバリカンを使って刈っているそうで、彼の弟、“裕次郎”と一緒に刈りあっているとのこと。仲のよい兄弟である。慎太郎と裕次郎がバリカンでお互いの頭を丸刈りにしている姿は、彼を知らない人にしてみたらカッコの良い姿を想像するかもしれないが、残念ながら生まれも育ちも顔も石○家とは無縁の男だということは、改めていうまでもない...。
「カツオか関口か。見事な丸刈り頭である」
10月12日(木)
先週が雨だったので、今日は2週間ぶりの野球の練習日のはずが、メンバー全員(!?)が仕事でそれぞれ忙しく、練習に参加することができないため急遽中止となる。夜7時からのナイター練習とはいえ、忙しくなると片時も会社を離れることができない状態になってしまうため仕方ないのだが・・・。しかも、11月以降の冬の間はグラウンドのナイター施設が使えなくなるため、平日の練習場所が確保できなくなってしまうらしい!このままオフシーズンに入るのはなんとも切ない話。どこか練習する場所を語損じないですか?情報求ム。
夜は、来春公開を予定している海外の新作短編アニメーション□□□の試写が行なわれる。(まだ詳細は明らかに出来ないのだが、素晴らしい作品です)。その試写に、長年ジブリ映画の宣伝をやってもらっていたのだが、2年前に会社のリストラで別会社に行っていた、小柳さんがやってくる。来月から東宝アドという会社に移って、またジブリの宣伝をやってくれるのだそう。「あっ、東宝アドの小柳さん」と会う人会う人から声を掛けられるのだが、まだ入社前なので、「フリーです」「まだ入社してません」と返していたのだが、なんとなく嬉しそうでその顔から笑みがたえることはなかった様子。
10月13日(金)
朝から「ズームインSUPER」で、日テレ本社に設置される宮崎監督デザインの大からくり時計が紹介される。その中継をスタッフも密かに楽しみにしていたのだか、見た反応は、「...」。時計は素晴らしかった。そして、からくりも面白かった。時計が汐留に設置されるのも楽しみになった。だが、あのコスプレはどうよ?ちょっと複雑な気持ち。
10月14日(土)
PD室で社長アシスタントをしている白木さんが、ひとり息子の“さあくん”を連れて出勤してくる。さあくんはとても元気で宮崎監督を相手に楽しそうに遊んでいた。その傍らで、お母さんの白木さんは息子が宮崎さんに失礼なことはしないかとハラハラしててる様子だったが、さあくんにとっては「絵のうまいおじさん」でしかなく、そのギャップがとても面白い光景だった。またPD室でプロデューサー補をしている岸本くんはわが子の“ぶんちゃん”を連れて出勤。どうやら奥さんが教習所に通っているらしく、その間の子守りらしい。ジブリはこのところベイビーブームで、続々と赤ちゃんが生まれている。こんな風景が日常茶飯事になるのだろうか?
10月16日(月)
来年DVDでリリースされる作品「イバラード□□」で原画を担当していた面々が先週にその作業を終わらせ、今日から次回作○○○の原画作業に入るため作打ちを行う。これでAパート、Bパートの殆どが作打ち済みとなり、いよいよこれで原画スタッフは次回作一色になる。レイアウトはテストカット以外、まだ1カットも上がってないが、一日も早く原画以降のスタッフも次回作一色になる日を目指していきたいと決意を新たにする。
10月17日(火)
朝から、昨日の夜の「のだめ」の話があちらこちらで。「案外良かった」「原作のイメージぴったり」などと好意的な感想を語り合っている。というのも、原作の漫画が一昨年あたりから密かに社内でブームで、そのため、クラシック音楽を聴きに行く会が発足するくらいだったからだ。これから、月曜日の夜は早帰りのスタッフが増えるのは間違いないだろう。
昼には、出版部の伊平嬢が腕を振るって「蟹味噌ラーメン」を茹で、出版スタッフを中心に美味しく食す。どうやら、夏に遊びに行った新潟のお土産の賞味期限が本日までということで、あわてて振舞われることになったのが真相らしい。でも、写真のように大変美味しい出来でした。
「赤く見えるのは蟹ではありません。蟹風味かまぼこです。残念ながら。」
先日もベイビーブームの話題が出たのだが、午後にはPD室の西村家の小夏ちゃんがお母さんの“うっきゃあ”と来社する。お母さんは広報室のスタッフなのだが現在は産休中。この小夏ちゃん、元気な子供でとても大きな声で泣く。どうも今日は寝不足らしく社内でもところ構わずに大きな声で泣いていたので、堪らず会社の外に連れ出してあやすことに。会社では本当に子供の世話をしているかあやしい印象の西村くんも立派に父親振りを垣間見せていた様子(のはずが、お父さんが抱いても泣き止まず、結局はお母さんがあやしているところを見ると、まだまだ疑いは晴れず...)。赤ちゃんの不思議な力のひとつは、赤ちゃんの顔を見ると誰もが幸せな顔になるということ。本当に素敵な力です。
10月18日(水)
3スタの2階には制作業務のスタッフと広報部のスタッフが机を置いているのだが、この日に限って、全スタッフが朝から会議・外出・お休みの連発で不在。それで、やむを得ず広報部の部長がひとりで留守番をすることに。ただ、このごろは宣伝期間でもないので、電話も殆んど鳴らず、案外平和な午後を満喫していたということは、誰にも知られていないのだった。
10月19日(木)
本日、テストカットの試写が行われる。試写と言っても、色がつけられている止めのカットを見せながら具体的に作画方針や作画の仕方の説明を宮崎監督が行うというもの。その中で、改めて宮崎監督は、アニメーションとは動かすことが基本であり、そのためにアイデアをひねり出す作業が今こそ必要であり、どんなに大変でも労を惜しまず手で描いていくという作業が何かを産み出すのではないだろうか、という主旨のことを話す。そのためには、これまで宮崎監督世代のアニメーターが産み出し、培ってきたアニメーション技法の一部を禁じ手にして、新たな手描きのアニメーションに挑戦しようとしているのである。つまり、創成期のように鉛筆の線で何でも動かして表現してみようという心意気とアイデアと労力でアニメーションを作っていこうと言う事なのだろう。いやはや大変な作品に立ち会うことになってしまったと、身震いしてしまう。
ところで、この日の夕方、夕日がきれいということで屋上に上ったところ、美術部が夕日を眺めながら、一杯やっている場面に遭遇する。もちろん、こうした美しい夕日を眺めてこれからの作品制作に生かすのも美術部の重要な仕事なのだが、なぜかその中にPD室のナヨも赤い顔で混じっていたという。
「ジブリ一スタ屋上の様子です」
「ジブリ日誌恒例の夕日の一枚。ススキの穂が秋を感じさせますね」
10月20日(金)
昨日からレイアウトが上がり始める。ちなみに、記念すべき一番乗りは山下さんと稲村さんのレイアウト。彼らは「ゲド戦記」の演出・作監コンビで、ほんの数ヶ月前までメインスタッフとして大変な作業をこなしてきた二人なのだ。完成後もなかなか疲れが取れず、年内は無理は頼めないなぁと思っていたが、作打ちをしたらそんな疲れなどどこ吹く風、かなりのペースで描き上げている。年齢もキャリアも含めて一番油の乗りきっている時なのだろう。本当に頼りになります!
10月21日(土)
世間は秋の行楽シーズン真っ盛りの今日この頃。旅の楽しみのひとつが駅弁であることに異を唱える方はいないだろう。最近では現地に行かずとも駅弁が買える駅弁フェアが各地で大人気...ということで1スタの本日のお昼は、システムのマッキーとポスプロの古城くんが買いに行ってくれた駅弁の数々をみんなで食す集いが催される。本当に最近の駅弁は、“らしからぬ”豪華さで、その価格も超豪華(笑)。旅の楽しみというよりは、旅の目的になってもおかしくない贅沢品になっている感じ。とはいえ、旅の飯で思い出に残っているのは、案外、素朴なおにぎりだったりする。少し冷たくなって、そして海苔が御飯に貼り付いたおにぎりの素朴な味、これに敵う旅の弁当はなかなかないのでは?あー、おにぎりをもってどこか旅に出たい今日この頃...。
「各地の駅弁でちょっとした旅気分を。」
一方、そのころ3スタでは、「きしめんパーティ」が催されていた。制作業務部品川君が誕生日なので、ちょっとだけお祝いしようというのと、火曜日に来社した産休中の広報部員“うっきゃあ”が配ってくれた内祝いのきしめんをみんなで食べようという集いだ。広報部員“イトノン”が大活躍で味噌と醤油の二つの味のきしめんを煮てくれて、みんなでありがたく頂戴したのだが、最初の味噌味の方は、あっという間にスープを吸ってドロドロ気味(でもとてもおいしかったです)。2回目の醤油味の方はご覧のように、大変上品な感じに仕上がりました。料理上手のイトノン、大活躍お疲れ様でした。
「最初の味噌味の様子。ちょっと水分が足りないかも?」
「これが後で作ったきしめん醤油味。とっても美味しそうに出来ました。」
10月23日(月)
「イバラード□□」の音響打ち合わせが行われる。今回音響を担当するのは、ジブリ美術館作品「星をかった日」で効果を担当していただいた笠松さん。打ち合わせには、井上直久さんのほか音楽を担当していただいている小室さんと松尾さんも同席し、井上さんがシーンごとにイメージを伝えていく。“イバラード”は井上さんが創り上げた架空の世界でありながら、井上さん自身の中ではとてもリアルな世界で、効果音に関しても、頭の中のイバラードの風景の音を言葉にしながら説明しているような感じである。しかしそれは誰も聞いたことのない音がゆえ、いやはやどんな音作りになるのか、とても楽しみなのだ。
10月24日(火)
「イバラード□□」で原画・作監作業をしてくれていた小西さんがようやくその仕事を終え、次回作○○○の原画に入る。これで社内原画分は全て作打ちが完了。徐々にレイアウトも上がり始めてきている。とはいえ、まだまだ先の見えない話なのは間違いない。一歩一歩着実に進めていきたいものである。
この日は、最高気温が15度までしか上がらない冬のような寒い一日で、空はどんよりと曇り、今にも泣き出しそう。そんな中、スタジオの隣にある“オリーブガーデン”さんに火曜日にやって来る「出茶屋」さんが人気の様子。今日は一杯300円の暖かいコーヒーを求めて出版部と音響関係のスタッフの姿が。お花に囲まれて、冷たい空気の中で飲む煎れたてのコーヒーの美味しいことといったら!これから冬にかけて、しばしば見かけることになりそうなひとコマだった。
「どんよりとした空....冬も近いですね」
「のどかな、くつろぎタイム」
10月25日(水)
次回作○○○と並行して百瀬さんが手掛ける短編アニメーションが進行している(この情報は本邦初公開!)。今日は動画をお手伝いいただくトロトロの山○さんが打ち合わせのため来社。トロトロは、いつもジブリ作品で大変お世話になっているスタジオなのだ。さて、百瀬さんが手掛ける短編アニメーションは、capsule(というアーティスト)のPV以来の映像作品。今回はとてもきれいな3DCGと2Dアニメーションとを融合させた新しい絵作りを目指している。完成はまだ先なのだが、その日をぜひ楽しみにしていてください。
午後一スタの3階では、40代以上のスタッフが集まって、ちょっとした病気自慢大会。いかに、自分の腰が悪いかという話で盛り上がる。宮崎監督や鈴木プロデューサーも参加して、自分の“腰”談義に話を咲かす。そこで、腰痛には椅子に座っての“股割り”のポーズが効くということになり、野中さんを宮崎さんと鈴木さんが押さえつけて無理やり“股割り”を。大物二人に襲われてちょっと照れくさそうな野中局長なのであった。
「襲われる野中さん」
10月26日(木)
今日はジブリ野球部の今シーズン最後の練習ということで紅白戦を行う。この野球部が活動再開してから初めての試合だったので形になるか不安だったのだが、これまでの練習の成果でかなりしっかりとした試合になったといえよう(自負)。もちろん、まだまだ練習を積み重ねていかなければならないところは一杯あるのだがが、あとは試合経験かなとも思う(実践)。ぜひ来シーズンは数多く試合をこなしていければと心に誓う(決意)。
練習後にスタジオに戻ると丁度、日本シリーズの日ハム優勝のとき。テレビに釘付けでその瞬間を目に焼き付けようと練習を終えた若手のスタッフが集まる。日ごろはライオンズファンだったり、ホークスファンだったりするのに、この一瞬は、ほとんどの視聴者が日ハムを応援してしまう心理は何故だろう。鈴木さんには悪いのだが、日本ハム万歳!の夜が更けてゆく。
「テレビを見つめながら、その瞬間を固唾を呑んで見守る」
10月27日(金)
ジブリも設立以来20年の歳月が過ぎ、色々なものが増え続けている。作品のフィルムや音素材、原画、動画、背景、作品のビデオテープ、レーザーディスク、DVDなどが、作品ごとに発生し増えている。もちろん社内だけでは保存しきれないので、結果、いくつかの倉庫に分散して保管することになる。その中のひとつ△△倉庫には過去作品VHS、DVDなどを保管しているのだが、ここ数年、荷物を詰め込むだけ詰め込んでおり、根本的な整理をしていなかったため、これ以上、ものが増えるとスペースが・・・。ここに来てようやく重い腰を持ち上げ、新たな棚を組み立てつつ大幅なレイアウト変更に取り掛かる。何とかあと数年は大丈夫な位に整理できればよいのだが・・・。
10月30日(月)
次回作○○○のレイアウトが順調に上がり始めてきたところで、制作の伊藤くんが原画UPスケジュールの打ち合わせを各原画さんたちと行う。「ゲド戦記」の時よりスケジュールに時間があるものの、コンテ内容のすごさを考えると既に憂鬱な雰囲気が漂っている。とはいえ時間は限られているので、よい作品を作っていくためには原画さんに限らずあらゆるスタッフとの綿密な打ち合わせと状況把握が必要。あらゆる場所で制作進行が現場スタッフと渋い顔をしながら打ち合わせる姿がこれから頻繁に見られることだろう。このコミュニケーションが制作進行の仕事の重要な第一歩なのです。
10月31日(火)
毎週火曜日に行われている制作会議が行われる。この制作会議は、それぞれの制作スタッフの情報を報告し共有していくことが主な目的だが、その会話の中に顔をのぞかせる不安要素の解消も見逃せないポイント。各々が不安や迷いを持っているときは、なんとなく言葉の端々に出てくるもの。それを敏感に感じとって、周りのスタッフがアドバイスをする。制作の仕事は会議の中では解決しない仕事ばかりですが、多少は迷いがなくなったり、反対に自信が付いたりする大切な時間なのだ。反対に落ち込むこともあるのだが・・・。
最近、日本でも少しずつ定着してきた“ハロウィン”。このカボチャたち、今夜のために美術部のみなさんで作ったとか。
「一つだけ猫がいますよ、猫が。」
こうして、2006年の10月も終わる。