本文目次関連項目

路上の人

路上の人堀田善衞解説 加藤周一

表紙版画 宮崎敬介
四六判ハード全400頁
本体価格2,600円
ISBN 4-19-861823-2

1243年5月、異端討伐十字軍がピレネーの山麓に集結していた。十字軍が目指すのは、"異端"とされたカタリ派の最後の砦、天空にそびえるモンセギュールの岩峰上の城塞だった……。

主人公ヨナは路上に生活の糧を求めて放浪する自由人。彼の眼から見た時、ローマ・カトリック教会やその教義、騎士たちの生き様、そして十字軍はどのようなものに見えるのだろうか。騎士の恋物語や異端討伐十字軍を通じて、現代にも通じる中世の光と影を描ききった長編小説。

聖者の行進

聖者の行進堀田善衞解説 橋本 治

表紙版画 宮崎敬介
四六判ハード全280頁
本体価格2,500円
ISBN 4-19-861824-0

1971年から1986年までの15年間に書かれた短編を集めた中世小説集。

方丈記にも記されている安元の大火を扱った『酔漢』、傭兵隊長の存在を通じてヴェネチアという都市国家のありようを描いた『傭兵隊長カルマニョ-ラの話』の2編を除くと、残り5編(『至福千年』『ある法王の生涯 ―― ボニファティウス八世』『方舟の人』『メノッキオの話』『聖者の行進』)はキリスト教を題材としている。

いずれの作品にも、人間の愚かしさはどこから来て、どのように世界を覆い尽くしてしまうのか、という問いかけとともに、中世を極限まで生きた強烈な人間像が描かれている。

時代と人間

時代と人間堀田善衞解説 高橋源一郎

表紙版画 宮崎敬介
四六判ハード全240頁(カラー口絵8頁)
本体価格2,000円
ISBN 4-19-861825-9

堀田善衞が講師を務め、1992年7月から9月まで全13回にわたってNHK教育で放送された「NHK人間大学 時代と人間」のテキストの復刊。講義では堀田作品における重要人物を5人(鴨長明、藤原定家、法王ボニファティウス、モンテーニュ、ゴヤ)取り上げ、その生涯を解説しつつ、時代と人間のかかわりについて語っている。

堀田文学の入門編としてだけではなく、歴史上の出来事を現代に通じる生きた体験として読み直すための格好のテキストである。

光と闇 小倉宏昌画集

光と闇 小倉宏昌画集スタジオジブリ責任編集

A4変型ソフト
全104カラー頁(80頁)
本体価格2,400円
ISBN 4-19-8618063-2

『機動警察パトレイバー』『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』『人狼』の美術監督、『イノセンス』(押井守監督作品 2004年3月6日公開)の背景を担当した小倉宏昌初の背景画集。

美術監督を務めた『オネアミスの翼 王立宇宙軍』『獣兵衛忍風帖』『フリクリ』の背景や、一枚の背景画ができるまでを迫った「アニメーションの背景美術の描き方」、男鹿和雄・大野広司・石垣務・武重洋二らが小倉氏の仕事について語り合った「アニメーション美術家座談会」、小倉氏の詳細なフィルモグラフィーやインタビューに加え、長年一緒に仕事をしてきた押井守監督インタビューなども収録。また『イノセンス』の背景もいち早く掲載の充実の一冊です。