米林宏昌監督作品『思い出のマーニー』

INTRODUCTION
イントロダクション

さびしさのさきにある、
かけがえのない宝物をみつけた
少女たちの物語。
あなたのことが大すき。

 スタジオジブリ最新作 『思い出のマーニー』は、都会で暮らす12歳の少女・杏奈が主人公です。「この世には目に見えない魔法の輪がある。輪には内側と外側があって、私は外側の人間。でもそんなのはどうでもいいの。私は、私が嫌い。」杏奈は幼い頃に両親を亡くし、養父母とともに暮らしています。あることがきっかけで周りに心を閉ざしてしまった杏奈は、悪化する喘息の療養のため、養母・頼子の親戚・大岩夫妻が暮らす海辺の村へ旅立つことになりました。それが、杏奈が経験したひと夏の不思議な出会いの始まりでした。

 療養先の海辺の村で、杏奈は入江に面して建つ古い屋敷を目にします。「何だろう、あのお屋敷……知ってる気がする」村の人たちが湿(しめ)っ地(ち)屋敷と呼ぶその屋敷には、長い間、人が住んでいません。初めて見るはずの湿っ地屋敷に、杏奈はなぜか心惹かれます。屋敷は夢の中にまで出てくるようになりました。奇妙なことに、その夢には決まって青い窓に閉じ込められた謎の金髪の少女の姿があったのです。


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