「野中くん発 ジブリだより」2024年3月号

 この原稿が掲載される『熱風』が世に出るちょうどその頃、日米それぞれでアカデミー賞の授賞式が行われます。日本が3月8日(金)、アメリカは3月11日(月・日本時間)。しかし原稿を書いている時点では、当然ながらどうなるか全く分からないわけで、いつも以上に今回は原稿を書きにくいタイミングです。果たして「君たちはどう生きるか」はどうなっているでしょう、それはともかく、先月号以降も同作の受賞は続き、英国アカデミー賞のアニメーション映画部門、そしてアニー賞のキャラクターアニメーション賞とストーリーボード(絵コンテ)賞を長編部門でそれぞれ受賞しました。誠に有難いことです。

 さて、話変わって、3月16日(土)、ジブリパークの新エリア「魔女の谷」がいよいよ開園します。これでジブリパークの5つのエリアがすべて揃うことに。と書いておきながら何ですが、実は私もまだ、「魔女の谷」には行ったことがありません。しかし、写真を見たり、仕事で現地に行ってきた人の話を聞くと、とても見応えのあるエリアが誕生しそうに感じます。ともかく作り込みの密度がすごく、作品の世界に存分に浸れる1つのエリアを生み出している模様。また、メリーゴーランドやフライングマシンなどの遊具もあって、エンターテインメント性も高いようです。考えてみれば、「魔女の谷」が中心的に扱っているジブリ作品は、すべて魔法が出てくるファンタジー性の強い作品ばかりですから、その世界に入り込んだような感覚と、娯楽性が高くなるのは分かる気がします。

 この「魔女の谷」開園を記念して、15秒の新CMが先頃発表されました。絵コンテ:宮﨑駿、演出・原画:山下明彦、美術:吉田昇という豪華メンバーで制作されたこのCMは、いわばスタジオジブリの〝最新作〞。「ハウルの城」に似たお城がとても面白い動きをします。ジブリパークやスタジオジブリの公式サイト等でどうぞご覧下さい。

 また、「魔女の谷」開園を記念して、金曜ロードショーでは2週連続で〝魔女〞が活躍するジブリ作品を放送します。3月15日(金)は「アーヤと魔女」、3月22日(金)は「魔女の宅急便」。「アーヤ」の時には「魔女の谷」の最新映像も放送されるのでぜひご覧下さい。

 最後になりましたが、3月20日(水・祝)から横須賀美術館で「鈴木敏夫とジブリ展」が始まります。こちらもどうぞよろしく。