「野中くん発 ジブリだより」2023年5月号

 三鷹の森ジブリ美術館では現在、企画展示「未来少年コナン」展│漫画映画の魅力にせまる!│を開催中です。1978年にNHK総合で放送された、宮﨑駿監督の初演出テレビシリーズをテーマにして、昨年5月末から始まったこの企画展示ですが、大変好評なので今年の11月まで会期延長となりました(ジブリ美術館は予約制です)。実際、展示物はとてもよく出来ていて、中でも、この展示のために今回新たに制作された模型やジオラマは本当に素晴らしいです。制作を担当した方々にもこの作品のファンは多く、その熱い思いが込められているからでしょう。熱い思いと言えば、去る4月4日(火)にジブリ美術館では「熱きコナンファンよ集え!」というイベントが開催されました。ちょうど45年前に「未来少年コナン」第1話が放送されたこの日、この作品の熱烈なファンに集まってもらって、熱い思いや溢れる愛を分かち合おう、という企画で、午前と午後、計2回行われたのですが、どちらも会場の土星座が満員となり、文字通り熱い盛り上がりを見せていました。井上俊之、吉田昇、本田雄の各氏と共に、実は私(野中晋輔)も当日は登壇したのですが、放送当時に「コナン」を観て大きな影響を受けたジブリ関係者ということでこの4名が選ばれ、自身の体験や、好きなシーンを映しながらその思いを語ったりしました。参加者ははがきで応募し抽選で選ばれた人達でしたが、皆さん本当に「コナン」が好きであることがひしひしと伝わってきて、会場が一体となってとても濃密な時間を過ごすことが出来たと思います。何だか手前味噌な文章になってしまいましたが、本当に熱く楽しいイベントでした。45年たっても皆さんの熱気があれほどというのは、やはりこの作品の持つ力のすごさゆえでしょう。このイベントの模様は、ジブリ美術館の公式YouTubeチャンネルで配信予定ですので、興味のある方はどうぞ。

 さて、舞台版「となりのトトロ」がイギリス演劇界で最も権威あるローレンス・オリヴィエ賞を最多となる6部門で受賞しました。人気もさることながら、その質の高さも折り紙付きであることが公認されたと言えるでしょう。ロンドンのバービカン劇場で、今年秋から来年にかけての再演も発表されました。

 最後になりましたが、弊社の会長兼社長であった星野康二が3月一杯で退任し、鈴木敏夫が再び社長に就任しました。今後とも宜しくお願い申し上げます。