「野中くん発 ジブリだより」2021年7月号

 劇場版「アーヤと魔女」の公開日がついに決定、発表されました。8月27日(金)です。当初は4月29日(木・祝)の予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で公開延期を余儀なくされ、結局約4か月お待たせすることになりました。今度は変更ないはずですので、申し訳ありませんが今少しお待ち下さい。

 それに先駆けて、三鷹の森ジブリ美術館では新企画展示「アーヤと魔女」展が、同館の営業再開と同時に6月2日(水)から始まりました。ジブリ美術館も緊急事態宣言を受けて4月25日(日)から休館していましたが、6月以降の制限一部緩和により再開したわけです。展示の内容は「アーヤと魔女」を題材にして3DCGアニメーションの作り方を丁寧に解説したもので、宮崎吾朗監督が自ら説明文の全てを執筆しています。吾朗監督は、前作「山賊の娘ローニャ」でCGを経験していたものの、フル3DCGの長編を1本丸ごと制作したのは今回が初めて。「アーヤと魔女」で学んだことは沢山あった模様で、とても新鮮な体験だったようです。私見ですが、今回の展示は、そうした吾朗監督が、3DCGのアニメーション制作をどう理解し取り組んだかを表現しており、ある意味、初心者が3DCGの技術を把握する過程を、面白く、分かりやすく追体験出来るものになっているように思えます。そして結局のところ、2Dの手描きアニメーションと同じく、スタッフの膨大な手作業によって3DCGアニメーションも制作されていることが体感出来るのではないでしょうか。展示室では実際に主人公アーヤの表情をモニター上で作る体験が出来たり、キャラクター作りに大きな影響を与えたスタジオライカのストップモーションアニメーション映画「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」の人形もご覧頂けますし、さらに、館内の土星座では「アーヤと魔女」のテレビ版上映も当面行っています。ジブリ美術館は日時指定の予約制。詳しくは同館のホームページをご覧下さい。

 さて、最後にジブリ関連の展覧会を3つ、改めてご紹介します。福岡市美術館では「高畑勲展」を7月18日(日)まで、石巻市のマルホンまきあーとテラスでは「アニメージュとジブリ展」を9月12日(日)までそれぞれ開催中。そして7月17日(土)から愛知県美術館では「ジブリの大博覧会」が始まります。いずれも日時指定の予約制が一部又は全部に導入されていますので、各公式サイトをご確認下さい。