「野中くん発 ジブリだより」2018年3月号

 今月号の特集にもあるように、3月21日(水・祝)から、三鷹の森ジブリ美術館ではオリジナル短編アニメーションの新作「毛虫のボロ」の上映が始まります。宮崎駿監督最新作の本作は、2015年6月から準備作業&制作を開始。2016年11月にNHKのドキュメンタリー番組「終わらない人宮﨑駿」で制作過程が採り上げられ、同番組はかなり話題になったので(再放送や長尺版制作、海外放送もされました)、「ボロ」も世間では結構知られていたと思います。海外では長編の新作と誤解されたりもしたようですが、「ボロ」はジブリ美術館の映像展示室・土星座で上映される10作目のオリジナル短編です。いよいよ公開を迎えることとなりましたが、内容については本号の特集をご覧下さい。ともかくユニークな作品であることは間違いないと思います。上映は8月末までを予定しています。ジブリ美術館は日時指定の予約制ですので、詳しくはホームページをご覧下さい。
 
 さて、神戸の竹中大工道具館では現在、「アニメーションにみる日本建築-ジブリの立体建造物展より-」を開催中です。「ジブリの立体建造物展」は各地を巡回し好評裏に終了しましたが、同展から「となりのトトロ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」など、日本建築に関わる部分を選び出し再構成したのが今回の展覧会。背景画や美術ボード、美術設定等の複製画を紹介する他、「トトロ」の草壁家を立体で一部表現し、その設計の源に触れます。開催は5月6日(日)まで。詳しくは同館のホームページをご覧下さい。
 
 最後になりましたが、二木真希子さんの絵本が復刊されます。二木さんはジブリ作品で大きな役割を果たしたアニメーターの一人で、草木や動物、自然と人のふれあいの描写等で、二木さんにしか描けないような素晴らしいシーンをいくつも描いてきましたが、本当に残念なことに2016年5月に病で亡くなりました。二木さんが生前に描いたオリジナル絵本『小さなピスケのはじめての旅』『小さなピスケのはじめての友だち』はずっと絶版でしたが、二木さんを尊敬する人たち、ファンの方たちの働きかけで、このたび復刊ドットコムから復刊が決まったものです。『小さなピスケのはじめての旅』は3月中旬、『小さなピスケのはじめての友だち』は5月中旬の発行予定で、二木さんの生前の希望に沿って、文字遣いやレイアウトを見直し再編集した新装版となります。さらに、幻の3巻目も今夏刊行するべく検討中とのこと。皆様どうか宜しく。