「野中くん発 ジブリだより」10月号

 このコーナーでも以前書いたスタジオジブリの新人採用ですが、合格者が決まりました。今回、宮崎駿監督の新作長編スタッフとして働いてもらうことを前提に、動画と背景美術の部門で若干名の募集をしたわけですが、有難いことに本当に沢山の方に応募していただきました。7〜9月に書類選考、実技試験、面接を行い、その結果、動画6名、背景美術5名が選ばれました。10月頭から半年間まず研修を受け、その後に実作業を通してさらに学びつつ仕事をしてもらうことになります。若い力に期待したいです。新人が一度にこれだけ入社するのは結構久しぶりのことなので、受け入れの担当者もなかなか大変と思いますが、スタジオの雰囲気もきっと少し変わることでしょう。

 さて、秋の季節がやってきました。ジブリでは一部の例外を除き毎年、秋に社員旅行を実施してきましたが、今年もその予定です。しかし、今回は諸事情により、行くことは決まっているのに目的地がなかなか決まらず社内の皆がいささかやきもきしておりました。ですがこの原稿を書いている9月中旬、やっと決まったとの知らせが届き、ちょっとほっとしているところです。何だかんだ言いながら、私も含め、社員旅行を結構楽しみにしている人が多いのだなあと改めて感じた次第。そう言えば前述の新人たちは、入ったと思ったらすぐ社員旅行となりますね。まあ、社内の色んな人と触れ合ういい機会となるのではないでしょうか。

 新人採用と言えば三鷹の森ジブリ美術館でもこの夏に募集をしましたが、こちらも多数の応募者があり現在選考中です。ジブリ美術館はこの10月1日で開館から丸16年が経過しました。相変わらず沢山のお客さんに来館いただいており、満員が続いていて本当に有難いことです。開館当初は、何年か経ったら来館者も減ってきて、チケットの予約制も必要なくなっていくかも、と予想するスタッフもいたのですが、嬉しい方向にその予想ははずれ、17年目の今も、ローソンのチケット予約販売システムは改良を加えられながらフル稼働が続いています。ジブリ美術館自体も少しずつ変化していて、たとえば昨年の改修工事の折には、屋上庭園に「天空の城ラピュタ」をイメージした新たな造形物が追加されたりしましたが、そうした点も盛り込んで、美術館の図録の新バージョン・増補改訂版(第四版)が近日中に発売開始予定です。こちらもどうぞ宜しく(ジブリ美術館は予約制です)。