「野中くん発 ジブリだより」 8月号

 「風立ちぬ」が7月20日(土)ついに公開されました。お陰様で大ヒット中。本当に有難うございます。いつもですと公開初日の様子を書くところですが、今回は初日に舞台挨拶等を行わなかったため、そういうトピックがありません。今月号の『熱風』は「風立ちぬ」の特集なので、まずはそちらをぜひお読み下さい。

 さて、映画の関連書籍が各社からいろいろ発売されつつありますが、スタジオジブリ出版部ではいつも通り、2冊を編集し発行しています。1つは『ジ・アート・オブ 風立ちぬ』。映画を美術の観点から採り上げた大判の本で、イメージボード、背景美術や場面スチルを使用して映画の世界を美しく描き出しています。今回の「風立ちぬ」では、主人公の堀越二郎が「美しい飛行機を作りたい」と願い、力を尽くしてそれを実現していく様が描かれますが、言ってみればこの映画自体も、「美しい映画を作りたい」と願った宮崎駿監督が、スタッフと共に生み出した「美しい映画」です。どうかこの本でご堪能下さい。税込2,900円。もう1冊は『風立ちぬ スタジオジブリ絵コンテ全集19』。絵コンテというのはいわば絵入りのシナリオですが、「崖の上のポニョ」に続き、宮崎監督はこの「風立ちぬ」も絵コンテをカラーで描いています。ですのでこの本も607ページをすべてカラーで収録。各カットの絵を見るのも楽しいですが、ト書きやセリフを丹念に追うと、完成した映画だけからは分からない様々な細部や演出意図が見えて、映画をさらに深く楽しむことが出来ます。税込3,675円はカラー収録を考えれば決して高くないと思います。発売はいずれも徳間書店。

 また、サントラ盤CDも発売中。久石譲さんが今回も本当に素晴らしい音楽を作って下さいました。「旅路」「菜穂子」の2つのテーマが特に印象的ですが、これ以外にも映画の各シーンで使われた名曲をふんだんに収録しています。もちろん主題歌の「ひこうき雲」(荒井由実)も収録。全32曲で税込3,000円、発売元は徳間ジャパンコミュニケーションズ。「ひこうき雲」は松任谷(荒井)由実さんの同名のファーストアルバム40周年記念盤もEMI Records Japan より発売。ユーミンとジブリのコラボレーションでLPサイズ絵本仕様、CD+DVD(新制作のPVを収録)のバージョンだと6,980円。限定生産なのでお早めに。

 というわけで他にも関連商品が色々出ていますが、映画はまだまだ上映中。どうぞ劇場にお越し下さい。