「崖の上のポニョ」の主題歌リリース決定!

今週の月曜日に報道されましたが、「崖の上のポニョ」の主題歌のリリースが決定しました。
発売は12月5日(水)ですので、ご期待ください。
 
 
(マスコミ向けリリース)
 
お父さんと娘が一緒に歌える主題歌決定!!
 
 『ハウルの動く城』以来4年ぶりとなる、全世界待望の宮崎駿監督最新作『崖の上のポニョ』(2008年夏公開予定)の主題歌が決定いたしました。『崖の上のポニョ』は「人間が手で描く」というアニメーションの根源にこだわり、従来のスタイルとは一線を画したアニメーション表現へと挑戦している宮崎駿監督の渾身の意欲作で、「人間になりたい」と願った、さかなの子ポニョと5才の男の子、宗介の物語。
 
 これまでもスタジオジブリ作品では、『もののけ姫』ではカウンターテナーの米良美一が歌う「もののけ姫」、『千と千尋の神隠し』ではライアーの弾き語りが印象的な木村弓の「いつも何度でも」、ウィスパーボイスが印象的な大型新人手嶌葵が唄う『ゲド戦記』の「テルーの唄」など、一度聞いたら忘れられない心に残る印象的な主題歌を世に送り出してきたが、最新作『崖の上のポニョ』注目の主題歌は、タイトルと同じ「崖の上のポニョ」。
 
 言葉がおぼつかない娘と、その娘が歌っているそばで、一緒に歌ってあげるお父さんという設定のデュエット曲で、娘と父が交互に歌っていくうちに掛け合いのような歌い方へとかわっていくというもの。宮崎監督は「父娘でお風呂で一緒に歌っているようなイメージ」と語っている。
 
 主題歌を歌うのはユニット名“藤岡藤巻と大橋のぞみ”。中年のお父さんの悲哀を歌い、団塊の世代を中心に支持されている藤岡孝章(55)と藤巻直哉(55)によるデュオ“藤岡藤巻”と、児童劇団に所属する子役として活動している大橋のぞみ(8)による異色のユニットです。 この主題歌「崖の上のポニョ」は映画の公開に半年先立つ、今年の12月5日(水)にヤマハミュージックコミュニケーションズより発売が予定されています。
 
 
●主題歌決定経緯 鈴木敏夫(スタジオジブリ プロデューサー)
 今回の主題歌はイメージアルバムを久石譲さんに依頼する際の、宮崎監督のメモが元になっています。そのメモを元にイメージを膨らませた久石さんが作曲し、『崖の上のポニョ』で作画監督を努める近藤勝也が作詞を担当、補作詞という形で宮崎駿が仕上げました。
 
 もともと、小さい女の子に唄ってもらいたいという宮崎監督の要望があったので、デモを作成しようと子役の事務所を探してつれてきてもらった、大橋のぞみちゃんに、歌ってもらったんです。そのデモCDを聴いてもらったところ、宮崎駿監督も久石譲さんも、その子供らしい歌い方がいっぺんで気に入ってしまいました。もうこれはひとつの出会いだとしか言いようがないですね。そして、宮さんは、この歌は、言葉がおぼつかない娘が歌っているそばで、お父さんが一緒に歌ってあげるような感じの曲だから、一緒に歌うお父さんの声が欲しい、たとえば藤巻さんはどうだろうと提案してきました。
 
 実は、藤岡藤巻の藤巻さんは、今は広告代理店で働いているのですが、若いころは“まりちゃんズ“というバンド活動もやっていたプロの人です。長い間、ジブリの作品にかかわってきていて、ジブリの社員旅行などにも同行して機会あるごとに、歌を披露したりしてたんです。
 
 僕も、本当に藤巻さんで良いのか迷ったけれど、藤巻さんにもたまにはジブリのために働いてもらおうということで、「あくまで仮歌だから、採用するかどうかわからないよ」といってデモのレコーディングに来てもらいました(笑)。もし駄目でも、気心が知れている仲間だから断りやすいし。
 
 ところが、そうして出来上がったデモCDを聴いた宮さんは、すっかり藤巻さんの歌声のファンになってしまったんです。僕が渡した藤岡藤巻のCDを一日中メインスタッフのいる仕事場で聴いていて、周りのスタッフがひどく迷惑がっていたという後日談もあるほどです(笑)。
 
 『となりのトトロ』のときにお父さん役を誰に頼んだら良いのか悩んだことがあったのですが、プロの俳優さんに役をお願いすると必要以上に立派すぎて、リアリティがなくなるんです。実は、お父さんに聞こえるためには、自分の方が子供なぐらい自分勝手なお父さんらしくない人のほうが、それらしく聞こえるんですよね。だから、トトロの時は、糸井重里さんにお願いして上手くいったんです。今回も、藤巻さんという世間で言う立派なお父さんからほど遠い人が歌うことによって、妙なリアリティが生まれているような気がします。
 
 その後、宮さんと久石さんの立会いの元、のぞみちゃんにもまた来てもらい、本収録を行なったのですが、完成版については、みんなとても気に入ってるし、良い唄になったんじゃないかと思ってます。12月発売ということもあるし、お父さんから子供へのクリスマスプレゼントにしてくれたら、いいんじゃないかな。

 宮さんは、ずっと、半径3メートル以内で映画を作ってきたのですが、今回もやってみて、本当に良かったと思ってます。
 
 
●“藤岡藤巻と大橋のぞみ”プロフィール
 70年代にまりちゃんズとして活動していた藤岡孝章と 藤巻直哉が2005年11月に結成した“おやじエンタティンメント”ユニット。中高年サラリーマン男性の悲哀と愚痴を切々と歌い、団塊の世代を中心に支持されている。これまで2枚のアルバム「藤岡藤巻 I」(SE)(2006年9月)「藤岡藤巻III」(SE)(2007年4月)と3枚のシングルをリリースしている。最新シングルはカントリー娘。の里田まい とのコラボ「オヤジの心に灯った小さな火」(ゼティマ)

・藤岡孝章(ふじおかたかあき)
 1952年6月5日生まれ。55才。ソニー・ミュージックエンタテインメントでディレクター、プロデューサーとしてシブがき隊、加藤和彦、宍戸留美他、40組以上のアーテストを手がけた音楽プロデューサー。
 
・藤巻直哉(ふじまきなおや)
 1952年8月20日生まれ。55才。大手広告会社で、数々の映画のプロデュースを手がける。スタジオジブリ作品 には『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994)以来10年以上関わってきた。
 
・大橋のぞみ
 1999年5月9日生まれ。8才。セントラル子供劇団(株)に所属する子役として活動。
 テレビドラマ「翼の折れた天使たち‘スロット’」では上野樹里の、「世にも奇妙な物語‘05春」では小西真奈美の幼少 役、映画『いぬのえいが』では宮崎あおいの幼少役などを演じている。歌は今回が初挑戦。