カルロス・ヌニェスのニューアルバムの発売決定!

「ゲド戦記」のサントラに参加して大活躍だった、フルート/パイプ奏者のカルロス・ヌニェスの最新作は、「ゲド戦記」のトリビュートアルバムです。題して、“メロディーズ・フロム・「ゲド戦記」”。映画のために書かれた未発表曲、そしてカルロスの新曲も収録しています。
 
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2007年1月17発売
定価:¥2,310(税込)
品番:SICP 1151
録音:2006年8月-10月 日本/スペイン

特別寄稿:山口智子

収録曲:
1- 「テルーの唄(ケルティック・インストゥルメンタル)」
   Song of Therru (Instrumental) (H. Taniyama)
2- 「闇の彼方」
   Beyond the Darkness - Anthem from Earthsea (T. Terashima)
3- 「霧の大地」
   The Misty Land(T. Terashima)
4- 「スパニッシュ・ドラゴン」
   Spanish Dragon(T. Terashima)
5- 「地の恵み」
   The Bounty of the Land(T. Terashima)
6- 「街のジグ」
   Town Jig(T. Terashima)
7- 「アレンの道-ゲド戦記序曲」
   Arren’s Way - Gedo Senki Overture(T. Terashima)
8- 「この地の果て」
   The End of the Land(T. Terashima)
9- 「時の歌(ケルティック・インストゥルメンタル)」
   Song of Time (Instrumental) (A. Arai/H. Hogari)
10- 「9つの波をこえて」
   Over Nine Waves (C. Nunez)

All tracks arranged by Tamiya Terashima, Carlos Nunez and Xurxo Nunez except M-1 and M-9 arranged by Carlos Nunez and Xurxo Nunez

 
<スパニッシュ・ケルト界のスーパースター、『ゲド戦記』と出会う>
 
2006年の夏、最高の話題作として日本映画界を賑わせたスタジオジブリ最新作『ゲド戦記』。
その『ゲド戦記』のサウンドトラックに参加し、美しい音色で映画を彩ったスペインのパイプ奏者、カルロス・ヌニェスと、映画音楽を手がけた寺嶋民哉が、『ゲド戦記』の世界観にインスピレーションを得て創りあげた作品集がついに実現した。
アースシーに吹く風を思わせるような、土の香りが漂うカルロスの笛の音色に、懐かしいあの情景が蘇る...
 
このプロジェクトのきっかけとなったのは映画のサウンドトラックのレコーディングだった。
スタジオでカルロスが操るホイッスルやオカリナ、バグパイプの音色の美しさ、そしてそれが音楽に生命を吹き込む瞬間に、鈴木敏夫プロデューサーや宮崎吾朗監督を始めとする全スタッフが衝撃を受けた。映像ありきで存在するサウンドトラックでは音楽は決して目立ちすぎてはいけない。ならばこの美しいスコアを自由に展開し、演奏を主役に据えた作品に生まれ変わらせたら、どんなに素晴らしいものが出来るだろう。「カルロスの音をもっと聴きたい」そんな単純な想いから話は動き始めた。
 
実際にカルロスは初めてこのスコアを耳にした瞬間から興奮を隠せない様子で「是非参加したい」と熱意を露にしていた。寺嶋氏が描いた“アースシーの音”はどこか大陸的なノスタルジアに満ち、カルロスの心の琴線に触れたのだった。
寺嶋氏が書いたこれらの旋律をカルロスと寺嶋氏が意見を交換しながら大胆に再解釈。新しいアレンジや、異なる楽曲を組み合わせることによって、まったく新しい『ゲド戦記』の世界が完成した。映画で聴き慣れた美しい旋律が、ケルトのアレンジを経て時にはよりドラマチックに、時にはより繊細に、鮮やかに生まれ変わるそのイマジネーションには驚嘆する他ない。
 
また、このアルバムにはカルロス自身が「この世界観にぴったりだ」と提供した自身の新曲、また寺嶋氏が映画のために書いておきながら結局サントラでは使用されなかった未発表曲も取り上げており、これらの曲が『ゲド戦記』の世界に更なる奥行きを与えている。
 
レコーディングはスペインのガリシアにあるカルロスのスタジオを中心に行われ、9月上旬には寺嶋氏自身もレコーディングに立ち会うために渡西している。フラメンコ・ギターや何種類ものフルートやバグパイプ類、アイリッシュ・ハープなどを縦横無尽に組み合わせて独特のサウンドを練り上げていくカルロスは、『ゲド戦記』という映画の血脈を確かに受け継ぎながらも、新しい世界への扉を開いた快作を創り上げた。
かねてから“日いづる国”、日本と、“日の沈む国”、ガリシアとの間にスピリチュアルなつながりを感じていたというカルロス。その精神性が映画『ゲド戦記』を媒介にして最大限に発揮されたこのアルバムは日本とケルトの文化の架け橋になることだろう。