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2006年4月26日
第七十九回 尻上がりの謎
時々、制作日誌に
スケジュール表のグラフが載せられています。
縦軸が作業が終わったカット数、横軸が日付になっていて、
毎週ここに各工程の終了カット数が書き込まれていきます。
写真では小さくて見にくいのですが、よくよく見ると、
それぞれの線の上り方に違いがあるのがわかると思います。
どの線も尻上がりなのですが、特にすごいのが
動画、仕上げ、撮影の線です。
私は以前、建設関係の仕事に就いていましたが、
建設現場でも往々にして最後は突貫工事になって、
出来高(完成した量)を書き込んだグラフの線は尻上がりになります。
つまり、後工程の作業ほど短期間で
仕上げなければならなくなるということです。
よくビルの建設現場で、完成間際に、
内装屋さんが夜中に工事をしているのはそういう訳です。
それと同じことがアニメーションの現場でもあります。
3・4ロールのカッティングに際して、
ほぼ全カット色までついた状態で編集をすることができたのは、
動画、仕上げ、撮影の目覚しい追い込みのおかげです。
特にそれぞれの部署の長である
動画の舘野さん、仕上げの保田さん、撮影の奥井さんの
差配ぶりには感心します。
画面の質のみならず、スケジュールの質が保たれているのは
それぞれの部署の長の仕事があってこそなのです。