メインコンテンツ | メニュー | リンクメニュー

ページ内容

2005年12月27日

第九回 「する人生」の先輩は、父と鈴木プロデューサー

「する人生」とは、
目標を持ってそれを成し遂げようとする人生です。
その動機は、富や名声を得たいというものから
人を感動させたいというものまでさまざまです。

一方「ある人生」とは、自分のためであれ人のためであれ、
何か野望を持って生きるのではなく、
日々の営みに満ち足りて生きていく人生です。

私はこのたび、
映画『ゲド戦記』を監督「する」という道を選んでしまったわけですが、
「する人生」の先輩としてまず思い浮かんだのが、
父・宮崎駿と鈴木プロデューサーでした。

2人とも、1985年にスタジオジブリを立ち上げたときには、
その20年後に、170人もの社員を抱える会社になるとは
思ってもいなかったでしょう。
「とにかく、(当時企画していた)『天空の城ラピュタ』をつくりたい!」
思いはそれだけだったはずです。

しかし、いったん映画をつくると、今度はその結果に縛られていきます。
映画を制作する上で、さまざまな人とかかわりを持つことになり、
つくってきた映画が社会的評価を得て、
ついには今年4月に徳間書店から独立し、
株式会社スタジオジブリが誕生しました。

そしてその社長には、
決してそれを望んでいたわけではない
鈴木プロデューサーが就任することになったのです。