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「ゲド戦記」制作日誌
2006年5月15日
ガヤガヤガヤガヤ……
5月、第3週に入りました。
R5-6のカッティングも無事に終了。
音響作業も本格化し、今月一杯は、キャラクターに声を入れるアフレコ作業。来月からは、音響スタジオで、台詞・効果音・音楽をつける「ダビング(DB)」という作業が行われます。
ゴロウ監督は、「ガヤ録り」の為に、朝から都内のスタジオへ直行。
「ガヤ録り」とは、群衆シーンの人の声を録音すること。
アニメーション・実写を問わず、映画では、メインの登場人物以外にも、その奥を行き交う様々な人々、映っていなくても、画面の外側にいるであろう人々の存在感がとても重要です。
本日から配信が開始された、第2弾予告編をご覧下さい。
3カット目で、カメラが大きく横へ移動し、街の中を、人々が行き交っている様子を映し出しているカットがありますよね。こういうシーンにも当然、アフレコが必要なのです。このように、メイン以外のキャラクターの声を録音する事を、「ガヤ録り」と言います。
例えば、渋谷のスクランブル交差点の真ん中で、声をかけ合うふたりが、画面に映し出されているとしましょう。(ベタな例えで恐縮です(笑))
この時、ふたりの周りを行き交う人々の足音や話し声、信号待ちをする車のエンジン音や、スピーカーから流れてくるコマーシャル等の音が全くなく、ふたりの声しか聞こえてこなかったらどうでしょう?
ふたりの特別な心情を表す特別なシーンならまだしも、お客さんに、自然に観て貰いたいシーンなのに、ふたりの声しか聞こえなかったら、僕らは、映画の画面を自然に観る事が出来ません。
実写であれば、「同録」と言って、撮影場所で音を同時に録音するのですが、アニメーションの場合は、群衆の声や人いきれ、足音なども、全て人の手でつけなければならないのです。
今朝は、月曜日恒例の制作会議。
先週・原画と作監の作業が終了し、状況確認と進行は、動画・仕上・撮影に集中します。
先週までの作業実績は……
原画実績 1236カット 終了
作監実績 1236カット 終了
動画実績 1233カット 残り3
動検実績 1223カット 残り13
美術実績 1236カット 終了
仕上実績 1191カット 残り45
完成映像 1176カット 残り60
先週は、動画・仕上・撮影共に、過去最高の枚数とカット数を叩きだし、折れ線グラフは急角度で完成予定日を目指しています。
本日、「ゲド戦記」後半の、大クライマックスシーンの原画を担当して下さったアニメーターの方が来社され、一緒にお食事をさせて頂きました。この方のお力無くしては、「あのシーン」はあり得ませんでした。
この場を借りて今一度、御礼申し上げます。
ありがとうございました!