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「ゲド戦記」制作日誌
2006年5月 2日
忍者タカマツ君
ジブリ背景美術観測史上、類を見ない驚異的なペースで、ゴロウ監督や鈴木プロデューサーが絶賛する背景を、上げ続けてきた背景美術部。
手持ちの終わったスタッフが、一人ひとりと制作休暇に入ってゆき、現在作業をしているのは、美術監督の武重さんと、研修生の佐藤さん、そして、若手の高松くん、3名だけとなりました。
この高松くん、若くしてジブリ美術館短編作品「星をかった日」の美術監督をつとめ、「ゲド戦記」でも重要なシーンを任せられている期待のホープ。
『背景チェック中のゴロウ監督と高松くん』
彼は今、担当分最後の「大判カット」を仕上げています。
「大判カット」とは、カメラワークが必要な場面で、大きな紙一杯に画を描くカットを言います。
せっかくですから、このHPから観られる予告編をご覧になって下さい。
冒頭、鷹が虚空を舞うカットの後、ホート・タウンの街を、カメラがゆっくり下がっていって、街全体を映し出しているカットがありますよね。
これは、通常の画用紙縦2枚分に背景を描いて、撮影部がカメラワークをつけているのです。
現在高松くんが描いているのは、通常の画用紙4枚分は優に越える、「超大判カット」。
海面や雲、朝焼けが描かれるカットは、画用紙を塗らし、絵の具をにじませて描く為、紙が乾かないうちに仕上げなければなりません。
まさに、時間との戦い。
絵の具の置いてある机と、作業用のテーブルを行ったり来たりする様は、まるで忍者「分身の術」!
『見よ! 目にも止まらぬ早業を!』
忍者タカマツ君入魂の大判カットに、ご期待下さい!