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「ゲド戦記」制作日誌
2006年3月27日
春よ、そなたはうツクシい
草木萌え、サクラ咲く季節になりました。
東京・東小金井周辺には、桜の名所がたくさんあります。
歩いて4~5分のところにある、桜堤団地の濃厚な並木も見事ですし、ちょっと足を伸ばせば、都内有数の名所・小金井公園が広がります。
芝生でまどろみながら、まぶたの向こうに薄桃色を感じる……な~んて、ナカナカ。
否。
あまり浮ついた舌を滑らしていると、ニラまれるのがこの季節。
花粉症。
ご多分に漏れず、アニメーション業界の花粉症率は、とても高いのです。
スタッフは、一日のほとんどを、机に向かって過ごします。
紙に向かって前のめりに作業をしますから、鼻孔を降下してくる鼻水をうっちゃるだけでも大仕事。何処の誰とは申しませんが、かつて、とある重症スタッフが、どうせ出るならその総量を量ろうと、小瓶に鼻水を貯めていた……という逸話まで語り継がれるほど。
鼻だけではなく、スタッフにとっては目が命。
密閉ゴーグルをかけながら机に向かうスタッフの横顔は、さながらSF映画の一場面のようですが、口が滑っても、そんな冗談は言えません。
──そんな花粉症スタッフに、吉報がもたらされました。
某ベテランスタッフが、新聞で「つくし」が効く、という記事を読み、油で炒めて食べ続けたところ、ピタッと症状が止んだ、と言うのです。
噂はあっという間に広まり、その効果のほどを試そうと、藁にもすがろうと試みるスタッフが多数。
この、つくしエキスが、何故花粉症の症状を和らげるのか。
記事によると、因果関係はまだ解明されておらず、プラシーボ効果という可能性もあるでしょうし、その効果の如何に関しては、当局は一切の責任を持ちません。
あしからず。
『現場に配布された新聞記事』