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「ゲド戦記」制作日誌
2006年3月21日
WBCアニメーター魂
今日は、言わずと知れた、WBCの決勝戦。
悲しいかな、「ゲド戦記」の制作スタッフは、休日返上で作業中です。
大の野球ファンの制作部・伊藤くんは、
「ああ、今日はビール片手に、テレビにかじりついている人が一杯いるんだろうなァ」
休日出勤を天に呪い、外注動画の回収に向かいました。
その、伊藤くんの上をゆく野球ファンが、原画アニメーターの山田さん。
「ゲド戦記」に登場する、巨大な街の雑踏を行き交う人々を、緻密かつ生き生きと描き分けている、ベテラン原画マンのひとりです。
机に向かっている時間は、作画部でもトップに位置する山田さんですが……今日はどこか、気もそぞろ。
ラジオに聞き耳を立て、紙に何かを書き込んでいると思ったら……
『手製のスコアボード! 出塁をチェックするダイヤモンドまで描いてあります(笑)』
とっても真面目な山田さん。仕事中はテレビを見てはいけない! と、ラジオに耳を立て、頭の中でゲームを観戦していたのですネ。
特別に、お昼休みにテレビをつけたのですが、山田さん、画面を見ながらこうつぶやきました。
「テレビの方が、18コマ遅れてる……」
アニメーターは、1秒=24コマに分けて、作画しています。
山田さんは、サンディエゴから送られてくる、ラジオの音声とテレビの画面とのタイムラグを「アニメーター脳」で計算し、その差を、18/24=0.75秒、とはじき出したのでした。
恐るべし、アニメーター脳……。
今日は、夕方から、スタッフに、いなり寿司の差し入れ。
風邪が流行っている美術部では、予防の為に「キムチ鍋」が振る舞われる予定です。
ずっと机に向かっているだけではなく、ココロやお腹を温めてあげないと、仕事ははかどりません。
日本チームが優勝して、一部の野球ファンスタッフが、更に奮起することを祈りましょう!(笑)