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「ゲド戦記」制作日誌
2006年3月17日
ナカザワ修理店
今日も、アニメーターがエンピツ削りを抱えて制作部にやってきます。
「詰まっちゃったんだけど……」
一日に、何十回も抜き差しするエンピツ削り。
作画部では、いつもどこかで、
ガガッ ガガッ
という、エンピツを削る音が響いています。
その、何十回、何百回と繰り返される作業の中で、エンピツのシンが折れて、中に詰まってしまうことがあるのです。
トントンとエンピツ削りのオシリを叩いて取れれば良いのですが、キッチリ詰まってしまっていると、分解して取り出さなければなりません。
『スクリューの奥に、水色のシンが詰まっているのが見えるでしょうか……?』
制作部に脈々と受け継がれてきた、エンピツのシン回収の秘術。
「ゲド戦記」では、新人・仲澤慎太郎に受け継がれました。
『秘術を駆使してシンの回収にあたる慎太郎』
軽快な音を立てて、息を吹き返したエンピツ削りは、スタッフのもとへと帰ってゆきました。
若者はこうやって、ひとつひとつ、現場の信頼を勝ち得てゆくのですね。
過去のエンピツ削りネタは、こちら……。