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「ゲド戦記」制作日誌
2006年3月15日
三匹が斬る!
今日は、昨日お伝えした、「ゲド戦記」R(ロール)1-2迄のカッティング(編集)の1日目。
ゴロウ監督は、昼過ぎから、瀬山編集室の瀬山さん、スタッフの方と、編集室(通称・アビッドルーム)にこもって、編集作業を行っています。
『カッティングの様子。ゴロウ監督は、柱に隠れています(笑)』
現在までに完成しているR1-2迄の完成映像の尺(長さ)は……
38分26秒21コマ(※1秒=24コマ)
この映像を、流れのテンポや、キャラクターの出入り・アクションシーンの繋がりなどをチェックしながら、カットごとの長さを調節してゆくのです。
今日は、昨日予告したとおり、カッティングとはなんぞや、というお話をしようと思ったのですが……
昨日の「監督日誌」で、ゴロウ監督自ら、語ってしまいましたね……。
ま、こういう事もあります(笑)
以前お伝えしたように、映画のフィルムには長さの制限がある為、20分前後のロールに、フィルムを分ける必要があります。加えて、ロールごとにカッティングを行い、「このロールは、もう絶対に長さが変わらないよ!」という、確定編集作業を行わないと、音響作業も進める事が出来ません。
1.カットの繋がりを編集する事によって作品の質をより高める
2.フィルムの長さの限界である20分前後ずつにロール分けをする
3.音響スタッフに映像を渡す
この3つが、カッティング作業を行う大きな目的、と言えるでしょう。
ちょっと専門的な話になりましたが、作品の内容においても、現場の作業においても、カッティングがいかに重要か、お解り頂けるのではないか、と思います。
カッティングは、明日は一日お休み。
一度頭を空っぽにしてから、明後日もう一回通しで観て、気になる点を最終的に調整します。
編集作業とは、作り手の頭とは別に、劇場で映画をご覧になるお客さんの頭に切り換えて行わなければならない、実に難しい作業。作業に没頭していると、一番大事な、「お客さんにどう見えるか」という全体の印象が掴めなくなってしまう為、クール・ダウンが必要、という訳です。
カッティングの結果はまた、明後日レポートしたいと思います。
『今日の、ジブリ屋上から見た夕陽』