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「ゲド戦記」制作日誌
2006年3月 3日
人生是一期一会
こんにちは。
ジブリHPでも告知がされていましたが……今夜、再び「ゲド戦記」の予告編がテレビでノーカット放映されます。
放送局 : 「日本テレビ系列」
番組名 : 「いまあま」
放送日 : 3月3日(金) 26:00-26:15(今夜の午前2:00-2:15)
先日のテレビ放映を見逃してしまった方。劇場に足を運ぶ時間のない、モーレツ社員や深夜族の方々。ぜひぜひ、ご覧下さい!
まずは、今日迄の、制作進行状況を。
原画実績 918カット 残り317カット
動画実績 589カット 残り646カット
美術実績 585カット 残り650カット
完成映像 422カット 残り813カット
今日は、ラッシュ(完成映像)試写が行われました。
ジブリは、第2スタジオの地下に、試写室を設けています。
以前は、会議室にスクリーンを貼って、フィルム上映をしていましたが、映像制作がデジタル化し、パソコン上で完成した映像を、プロジェクター(上映機)を使ってチェックすることが出来るようになった為、自前で試写室を持つことにしたのでした。
完成したのは、99年の5月。丁度、「となりの山田くん」で、ジブリが本格的にデジタル化した時期と重なります。
『試写直前の試写室の様子』
「ゲド戦記」のラッシュ試写は、毎週金曜日の16:00から行われます。
ゴロウ監督以下、メインスタッフが試写室に集い、その週に完成した映像を、2回上映します。
全体を通して、問題点が無いかを1回目に確認し、問題点があったところを、2回目に再確認するのです。
「え? 2回だけなの?」
と驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。
難しいもので、何度も繰り返し観てしまうと、細かい部分ばかりが気になって、本来掴むべき「全体」に目が至らなくなってしまうのです。
2回しか観られない! と思ってみると、大事なところを集中して観るクセがつきます。確かに、1度しか観られないものを目の前にしたとき、人間は驚くべき集中力を発揮するモノ。
メインスタッフは、個々の仕事に責任を持っていますから、ラッシュ試写で大きな直しが出るという事は、殆どありません。ラッシュ上映とは、最終的にお客さんのもとへ作品をお届けする為の、メインスタッフ総意の最終チェックなのです。
ビデオやDVD、パソコンで、映像を何度も繰り返して観る事の出来る時代だからこそ、ひとつひとつの仕事との一期一会を、大事にしたいものです。