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「ゲド戦記」制作日誌
2006年3月 7日
色々あるニャ~
三寒四温というのでしょうか。
昨日は比較的、暖かかったのですが、今日は一転、空気がヒンヤリしています。
ウシコ(♀) 「鈴木さんの車はあたたかいニャ~」
通常の長編アニメーションでは、スケジュールを示す折れ線グラフで、停滞する「踊り場期」、上がってゆく「上昇期」が繰り返されるのですが、「ゲド戦記」のスケジュールに三寒四温はありません。
いずれの工程も、まるでラージヒルのジャンプ台のように、急激な傾斜で、完成を目指しています。
先日、「ゲド戦記」のプロモーションや、対外的な仕事に忙殺されている鈴木プロデューサーと、久しぶりに昼食を共にしました。
現場で日々起こる様々な出来事を報告しながら、ひとつひとつ整理しているうちに、思わず、こんな言葉がもれました。
「何でこんなに色々起こるんですかね」
いくら頭をひねって段取りを組んでも、思いも寄らぬトラブルは起こるモノ。一見静かに見えるアニメーションの現場ですが、日々、何かしら予期せぬ出来事が発生します。
すると、鈴木さんが、ポツリ。
「経験が役に立つときもあるけど、逆に経験が邪魔をする事も多いよなァ」
曰く、映画の現場は、作品の内容からスタッフ・現場の状況まで、ありとあらゆる事が刻々と変化してゆく。前の作品で通用したことが、次の作品ではまったく通用しない事がほとんど。経験に頼っていると、あっという間に動けなくなってしまう、とのことでした。
初めての事だからからこそ、心配になる。心配になるからこそ、細かいところにまで目を配る事が出来るのですね。
そんな鈴木さんの口癖は、
「色々あるなァ」
日々予期せぬ事態と戦っている人の、本音がにじむ言葉です(笑)
先日、ゴロウ監督がこうつぶやいていました。
「知恵の集まり、工夫の力」
絵本作家の、「かこさとし」さんの言葉だそうです。
経験(少ないですが)に依存することなく、知恵と工夫で後半を乗り切ろう! と思いを新たにした制作部でした。