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「ゲド戦記」制作日誌

2006年1月23日

謎の3465

 今日は、手持ち分が終わった原画スタッフの、追加作打ちが行われました。アニメーションの現場では、追加で打ち合わせをすることを、「おかわり」と言います。


 ○○さん、あと2回くらい、おかわりしてくださいね!


 作打ちの後はきまって、メインスタッフとアニメーターの間で、こんな会話が交わされます(笑)


 本日、2回目の作打ちが終わったときのこと。
 ベテランアニメーターのTさんが、「何これ?」と、声を上げました。

 覗き込むと、いつも作打ちに使う大きな木製のテーブルに、意味深な数字が彫り込まれていたのです。
 
 
20060123_3465.jpg

 
 3…4…6…5……。


 何の暗号だろう?


 さ、し、ろ、ご? み、よ、む、ご?


 古○任三郎のテーマ曲を口ずさみながら、様々な憶測が飛び交います。


 もしかしたら、あまりに過酷な制作状況に立腹したスタッフの、声なきメッセージかもしれない。

 
 どうしよう……解読して、対策を打たなければ!

 
 監督以下、メインスタッフによる解読が始まりますが、なかなか、「これ!」という解答は浮かびません。


 と、スタッフのひとりが、ポツリ。
 
 
 
 「このテーブル、裏返しなンじゃないの?」
 
 
 
 へ?


 慌ててテーブルの裏を覗き込むと、裏はツルツル。

 謎の番号の正体は、製品番号だったのでした(笑)

 どうりで、節や傷だらけで、使い辛かった訳です。


 このテーブル、脚に天板を載せるだけの構造になっていて、僕と制作の伊藤君が設置するときに、裏表逆に置いてしまったようなのです。


 慌てて直そうとすると、作画監督の稲村さんがひと言。


 「どうせ傷つくンだから、このままでいいよ」


 という訳で、謎の番号はそのまま。
 
 
 「ゲド戦記」完成のあかつきには、表に戻そうと思っています。