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「ゲド戦記」制作日誌
2006年1月17日
オソッセヨ!
オソッセヨ イルボネ!(ようこそ日本へ!)
昨日、韓国のアニメーションスタジオから、若い女性動画スタッフがふたり、来日されました。
以前、日本と韓国のアニメーション事情について書きました。特に、作画の最終工程である動画作業は、日本のアニメーションの多くを、韓国のスタッフが支えています。
今回おふたりは、研修生という形で、動画の勉強をしにジブリにやってきたのです。
韓流ブームも手伝って(?)、おふたりの来日は、話題の的。普段は、机に向かって黙々と作業をしている作画スタッフも、今日ばかりは目の色が違います。あっという間に、大きな人だかりが出来ました。
ところが、ひとつ問題が。
スタジオには、韓国語を解せるスタッフがいなかったのです。
辞書を片手に、おぼつかない自己紹介が始まりますが、なんとも上手くいきません。おふたりの顔に、不安が広がり始めた時……
救世主が現れました。
演出・作画の百瀬さんです。
「火垂るの墓」から、ジブリ作品のメインスタッフとして腕をふるい、最近では、ハウス食品のテレビCMや、音楽ユニット「capsule」のプロモーションビデオの監督をつとめてこられた、スタジオの重鎮。
ウン……ウン……成る程ネ。
腕を組んで、ふたりの自己紹介を聞いていた百瀬さん、突然流ちょうな韓国語で喋り始めたのです。
スタジオは騒然。百瀬さんが、韓国語を喋ってる!
百瀬さんは、今をさかのぼること25年前、韓国のスタジオで1年半、仕事をした事があったのだとか。日韓のアニメーション現場の交流は、そんなに昔から行われていたのですね。
「いや~、もう一回勉強して、韓流ドラマを、字幕無しで観られるようになりたくてサ」
との事ですが、きっと、青春時代が蘇ったのに違いありません(笑)
その後、おふたりは、すっかり現場にうち解け、昨晩は吉祥寺の飲み屋で、大いに盛り上がったのでした。
今夜は監督以下メインスタッフ総出で、お二人の歓迎会を催す予定です。
ちなみに、動画担当の制作部・齋藤君が、「何処に行きたい?」と問うと、答えは今話題の「アキハバラ」!
早速日曜日に、齋藤君が二人の為に秋葉原ツアーを催す事になりました(笑)
『韓国語を猛勉強中の、制作部齋藤君の机』