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「ゲド戦記」制作日誌

2006年1月14日

モチはモチや!

 今日は、一昨日予告した、制作部主催のイベントが行われました。

 ちょっと遅い、モチつき大会。

 スタジオの正面に、石うすと蒸し器を並べ、「ゲド戦記」の完成を祈願しておモチをつこう! というこの企画。
  
20060114_harigami.JPG

 買い込んだ餅米、なんと10キロ!
 醤油・海苔巻き・きな粉・大根おろし・納豆・クルミ砂糖がズラリと並べられ、準備万端。早速制作部が、先陣を切って杵をふり下ろします。


 ところが、このモチが、この世のモノとは思えない出来。
 米粒が目に見えて残留している上に、ひとつひとつに芯が残って、ジャリジャリと、何とも言えぬ歯ごたえだったのです。


 味見した某スタッフの反応は、


 これ、おモチと言うよりは、「芯の残ったおはぎ」だよね……。


 制作部に戦慄が走ります。
 どうしよう。何が間違ったのだろうか。次もこんな出来だったら、誰も食べてくれないよ……。


 ──と、そこに、作画打ち合わせを終えた監督が、颯爽と登場。


 「蒸しが全然足りないよ! おまけに、『つぶし』がなってない!」


 「つぶし」とは、蒸したモチ米を、杵の先を使って、グイグイつぶすこと。これを先にやっておかないと、いくらついても粒が残って、おモチにはならないのだとか。

 かつて、ジブリ美術館館長として、毎年モチつきイベントを取り仕切り、休日には薪割りをして手にマメを作ってくる程ですから、そのこだわりは、豚汁同様筋金入り。監督の大号令が始まります。


 モチはモチ屋とは、まさにこのこと。
 冷雨降りしきる小金井の空に、高らかなかけ声が響き渡り、仕上げ部、撮影・CG部、美術部、作画部の順番で、熱々のモチがつき上がりました。
 
  
20060114_mochitsuki.JPG
『三人がかりで9回ついたらひっくり返す、がキモ!』
 
 
 忘年会のシリ相撲大会では、体力の低下を露呈してしまった作画部ですが、日頃の「粘り強い」仕事が生きたのか、ふっくら柔らかく、ダントツ1位、の出来映え。制作部が初めにつくった「おモチのようなモノ」は、うずたかくお皿に盛られたままです。
 

 ならば負けじと、制作部の再チャレンジが始まります。

 トリは我らが、最高のお餅を作って見せよう! と一致団結。
 仕事の時とは比べものにならない程(?)の団結力でつきまくったお餅の出来映えは……?
 
 
 
 
 
 
 
 
 


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『気合いとお水の入れすぎ!』
 

 味見した某々スタッフの反応は、


 これ、お餅と言うよりは、「とろけるチーズ」だよね……。


 最後まで、粘りとコシの弱さを露呈させた、ジブリ制作部でありました。