ページ内容
「ゲド戦記」制作日誌
2005年12月29日
スタジオジブリの忘年会
こんばんは。
本日は朝から、スタジオ全体の大掃除。
1年間、スタジオに積もったホコリや、スタッフの血と涙の跡、床と壁に染みついた悲喜交々を、スタッフひとりひとり、様々な想いで拭きとります。
その後、16:00から、宮崎駿・スタジオジブリ所長による乾杯の挨拶と共に、1階のバーで、忘年会が行われました。
東小金井北口商店街の皆さんのご協力のもと、スタジオ横の駐車場に露店が開かれ、たこ焼き・焼き鳥・豚汁・クレープ等々が並び、まるで季節外れの夏祭り。
『東小金井北口商店街の皆さん、本当にありがとうございました』
ここぞとばかりに弾ける者アリ、数人で静かに語り合うものアリ、グデングデンに酔いつぶれるものアリ……と、2005年の労苦を、皆でねぎらい合うひとときでした。
目玉イベントは、各部署対抗のシリ相撲大会。
各部署から選抜された精鋭(?)たちが、トーナメント方式で闘い合う、オシリとオシリの肉弾戦。
その結果は……?
1位 管理部(ジブリの総務・経理を担っている部署)
2位 制作業務部(著作権管理等、対外的な窓口となる部署)
3位 CG部
特別賞 出版部の田居さん
意外というか予想通りというか、現場が弱い!
日頃、机に向かって仕事をしているツケがまわったようですね。
制作部から送り込まれた、期待の大型新人の慎太郎も、あっけなく撃沈。19歳の少年は、賞品に飢えた先輩たちに、袋だたきにあったのでした。
ちなみに特別賞の栄冠に輝いた出版部の田居さんは、鈴木プロデューサーの、アニメージュ編集部時代からの盟友。
対戦相手は、勿論鈴木プロデューサー。日頃、愛にあふれた悪態をつき合う二人の一騎打ちに、スタジオ中が、割れんばかりの大声援!
『見よ! 鈴木プロデューサーのはしゃぎッぷり!』
結果、最近ドンドン大きくなっているウエストを気にしている鈴木プロデューサーの、容赦なき「ヒップアタック」に、田居さんがフッ飛ばされたのでした。
その後、ひとりひとりに配られたカードを睨みながらのビンゴ大会。
2005年をテーマに幹事団が選びぬいた、豪華(?)賞品が振る舞われました。
そんな中、運命的な出来事が!
東京ディズニーリゾートの特別入場券獲得をめぐるビンゴナンバーが発表された時……
宮崎吾朗監督がビンゴ! となったのです。
その時のビンゴナンバーが、Gの56番。
Gで、56、でゴロー?!
なんたる偶然……。
その時、同じくビンゴになったスタッフは他に4名。
賞品は、ジャンケンによる争奪戦となりました。
更なる事実が会場を震撼させます。
特別入場券の期限は、2006年の3月まで。その頃ジブリは、「ゲド戦記」追い込みの真っ最中なのです。
当然の事ながら、制作部から野次が飛びます。
「監督負けろ!」
「辞退しろ~!」
その結果は……?
美術部の長田さんがゲットしました(笑)
ホッ……。
最後に、鈴木プロデューサーの一本締めの声がスタジオ中に響き渡り、宴もたけなわ、お開きとなりました。
この場を借りて、忘年会の景品をご提供下さった、ブエナ・ビスタ・ホーム・エンタテインメントの皆さん、東宝の皆さん、ありがとうございました。手作りのあたたかい忘年会を企画してくれた、幹事団の皆さんにも、感謝、感謝。
スタッフの皆さん、一年間、本当にお疲れ様でした。
また年明けから、「ゲド戦記」の完成を目指して頑張りましょう。
それでは最後に、この日誌をご覧になって下さっている皆さんとも、一本締めをしたいと思います。
皆さん、お手を拝借……。
よ~おッ
『制作部リーダーの渡辺氏』
皆さん、良いお年をお過ごし下さい……。