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「ゲド戦記」制作日誌
2005年12月28日
制作と製作はどう違う?
今日は12:30より、第3回目、年内最後のラッシュ上映が行われました。
リテイク(修正)をのぞく、33カット。
これで、「ゲド戦記」の完成カットは、90カット強となりました。まだまだ先は長いですが、予告編やテレビスポットで、皆さんに映像を観て頂く日が楽しみです。
今日でジブリは、「一応の」仕事納め。
でも、メインスタッフと制作部は、正月休みも返上で作業予定。
これまで何度、除夜の鐘をスタジオで聞いたことでしょう……(涙)
さて。
「ゲド戦記」制作日誌をお届けして2週間が経ちましたが、多くの方々から感想や激励のメールを頂きました。この場を借りて、深く御礼申し上げます。
鉛筆の平らなオシリ問題に対する様々な対処法や、ウシコやナマズ君の顔が見たい! というお便りまで。
ひとつひとつにお返事は出来ませんが、監督共々、皆さんのお便りを励みに頑張りますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。
頂いたメールの中で、ひとつ気づいた事がありました。
「制作日誌」を、「製作日誌」と書いていらっしゃる方が多いのです。某大手ポータルサイトにも登録して頂いたようなのですが、そこでも「製作日誌」となっていました。
「制作」と「製作」……。
これ、ややこしいですよね。
ここでちょっとした業界豆知識。
「制作」と「製作」は違うのです。
映像業界では、
制作=作品を作る実作業のこと
製作=作品の企画・資金調達・出資・制作・宣伝・興行全般のこと
という棲み分けがなされています。正確に言うと、製作の中に含まれる映画作りの実作業の部分のみを、「制作」と呼んでいる、という事になりますね。
現場では、脚の衣(ころも)の有無を目印に、「衣無し制作」「衣有り製作」と呼んだりします。
スタジオジブリのHPのトップページを見てみましょう。
「ゲド戦記」のメインタイトルの下に、
制作 スタジオジブリ
製作 「ゲド戦記」製作委員会
と書いてありますよね。
この場合の「製作」とは、この映画に出資してくださる会社の集まりのこと。
「制作 スタジオジブリ」という表記は、作品制作の実作業は、スタジオジブリがやっていますよ、という事なのです。
「ゲド戦記」制作日誌は、スタジオジブリの制作現場の様子をレポートしてゆくブログなので、「制作日誌」とさせて頂いています。