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「ゲド戦記」制作日誌
2005年12月16日
ボーン・コレクター
まずは、ちょっと骨休み……のお話。
「ゲド戦記」前半のシーンに登場する人骨の参考資料として、百瀬さんが、ドイツ製の医療用骨格標本の「脚」を購入。
『カタログ名「自由下肢骨モデル・左」おとなりは「制作伊藤下肢・右」』
おもちゃではなく、実際に医療現場で使われているものだけに、その造りは、まさにホンモノ!
そのリアルな造形に興奮した制作部の伊藤くん、早速「自由上肢骨モデル、左(腕)」を購入する事を決意したとか……。
フトコロのさみしさが、まさに骨身に染みている筈の伊藤くん。
いくら年の瀬だからって、財布のヒモがゆるみすぎなのでは?
●今日の「ゲド戦記」
16:00より、第2回目のラッシュ上映が行われました。
「ラッシュ上映」とは、完成した1カット1カットの画面を、劇場でお客さんが観る時と同じ状態で上映して、メインスタッフが「これでOK」という判断を下す場のことを言います。
映画制作において、初期のラッシュ上映は、何よりも緊張するもの。この間、各スタッフが作業してきた結果が、はじめて大画面に映し出されるのですから。
第1回目のラッシュ上映を経て、様々な議論と試行錯誤が注ぎ込まれた今日のラッシュ上映。
メインスタッフは、確かな手応えを感じていました。
もうひとつ、嬉しい出来事が。
昨日、スタジオジブリのある東小金井駅から、中央線に乗って東京方面へ向かう用事がありました。午後の、東京方面への電車は空いています。
席に座って顔を上げると、目の前には、学校帰りらしい、小学校中学年くらいの男の子たちが座って、ワイワイ話しをしていました。
……!
ひとりの手に「ゲド戦記」が抱えられていたのです。
単なる偶然かもしれませんが、ドキドキしてしまいました。
少年へ。
来年の夏、映画館で会いたいな。