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2006年8月 7日
番外編5 ル=グウィンさんの言葉
現地時間の8月6日、
今日はル=グウィンさんのための試写です。
試写は午後にあるので、午前中は遅めの朝食をとってから、
鈴木プロデューサー、海外事業部の武田さんと
WILLAMETTE川に行き、
レンタル自転車を借りて、川沿いを少しの時間走ってきました。
レンタル自転車屋さんに残っていたのは、
ロードバイクが1台、二人乗り自転車が1台。
当然のように、私がロードバイクを借り、
鈴木さんと武田さんが二人乗り自転車を借りました。
カラッとした晴天の下で自転車に乗るのはとても気持ちよく、
しばし緊張を忘れられました。
二人乗りの前に乗せられ、
後ろから鈴木さんにあれやこれやと指示されていた
武田さんはそうでもなかったようですが。
その後、ホテルに戻って身支度をしてから、
試写会場の劇場に向かいました。
初めてお会いしたル=グウィンさんの印象は、
色々な人から聞かされて想像していたとおりで、
小柄な方なのですが、瞳の力強さ、
そして大きな存在感をお持ちでした。
試写に来ていただいたのは、ル=グウィンさん御夫妻、
息子のテオさん御夫妻ほか、ご友人たち総勢70人あまり。
試写前にご挨拶をし、
上映中は劇場近くの喫茶店で時間をつぶていたのですが、
その間、緊張は最高潮に高まり、生きた心地がしませんでした。
上映終了間際に会場にもどると、
ちょうどエンドロールが流れているところでした。
鈴木さんや私の名前が出たところでは大きな拍手を頂き、
そして、上映後には皆さんからお褒めの言葉を頂きました。
夜にはテオさんがご自宅で
ホームパーテーを開いてくださいました。
夕暮れ時の気持ちよい空気の中、
集まった皆さんはとても楽しそうでした。
こういう時に、口下手になってしまう私は
あまり沢山お話をすることができませんでしたが、
渡米してから初めてリラックスできたような気がします。
そのパーティーの最後のお別れの挨拶のとき、
自分からル=グウィンさんに映画の感想を求めました。
これだけはきちんと聞いておかなければと思ったからです。
彼女は短く答えてくれました。
「It is not my book.
It is your film.
It is a good film.」
と。
彼女としては、本当はたくさんおっしゃりたいことが
あったのではないかと思うのですが、
それでも温かい笑顔とともに下さった言葉です。
この短い言葉を素直に、
心から感謝して頂戴したいと、思ったのでした。
ル=グウィンさん、
そしてずっと私たちとの仲立ちをしてくださったテオさん、
本当にありがとうございます。
これで安心して日本に帰れる気がします。