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2006年7月29日

最終回 始まりは終わり、終わりは始まり

とうとう今日、公開日を迎えました。

お昼から行われた初日舞台挨拶に先立って、
午前0時から、カウントダウン舞台挨拶と称して、
TOHOシネマズ六本木ヒルズで鈴木プロデューサーと一緒に
舞台挨拶をさせていただきまいた。

なにしろ司会が、日テレの奥田さん、博報堂DYMPの藤巻さん、
そして東宝の伊勢さんのオヤジ三人衆なので、
いったいどうなることかと思いましたが、
とても手作り感覚の素敵な舞台挨拶になりました。

なにより、たくさんのお客さんからの拍手や
横断幕、花束まで頂戴して、感無量でした。
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そして、一夜明けた正午からは二度目の舞台挨拶。
こちらは岡田君、葵ちゃんと一緒でした。
お二人の誠実さに助けられて、
楽しい舞台挨拶でした。
それにしても、岡田くんへの声援の大きさには、
ビックリしてしまいましたが。


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その後はささやかな打ち上げがありました。
集まってくださった方たちの笑顔をみていたら、
お祭りの夜に感じるような切なさにおそわれました。
これで終わっちゃうんだ、なぁと。

特に、この間、宣伝とキャンペーン、そして初日と
奔走してくれた東宝の宣伝プロデューサー伊勢さんの
ホッとした顔が印象的でした。
伊勢さん、ほんとに感謝です。

私のような素人が
突然アニメーション映画の監督を務めるということは
本当に無謀なことだったと思います。
けれども、そのおかげでたくさんの人と出会うことができ、
そうした方々の支えで、
ここまでたどり着くことができました。

ここで全ての方のお名前を挙げることはできませんが
「ゲド戦記」の制作、宣伝、興行に関わってくださった全ての皆さん、
ほんとうにありがとうございました。

最近思うのは、映画というものは完成した瞬間に
自分のものではなくなるんだということです。
その瞬間から映画はお客さんのものになるのだと。

出来上がった瞬間に、手のなかから舞い上がっていくような
そんな感じでしょうか。
僕の手のひらの上に乗っていたのは、
ほんのわずかな時間でしかなかったように思います。

あとはこの映画が、多くの人の手から手に渡っていき、
幸せな旅をしてくれることを願うばかりです。

来週は韓国に行き、
その後には原作者であるル=グインさんに会いに
アメリカへ行く予定です。
さらに9月には、ベネチアに行くことになってしまいました。

まだしばらくはゲドとの付き合いは終わりそうにないですが、
ここでひとまず監督日誌は終わりにさせていただきます。

これまで愛読してくださった皆さん、
ほんとうにありがとうございます。

またいつか、どういうかたちかはわかりませんが、
皆さんにお会いできる日が来ることを願っています。

始まりは終わり、終わりは始まりなのですから。