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2006年8月 8日

番外編6 一夜明けたら、行き倒れ

緊張の一日から一夜明けて、 今日は一日フリーでした。 全員で車に乗り、向かったのはビーチです。 ところが、ビーチは寒かった。 たしかに空は抜けるように晴れ渡り、...

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2006年8月 7日

番外編5 ル=グウィンさんの言葉

現地時間の8月6日、 今日はル=グウィンさんのための試写です。 試写は午後にあるので、午前中は遅めの朝食をとってから、 鈴木プロデューサー、海外事業部の武田さん...

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2006年8月 6日

番外編4 明日の判決

アメリカ合衆国は、 オレゴン州ポートランドに来ています。 ポートランドは、「ゲド戦記」の原作者である ル=グウィンさんの暮らす土地です。 今回の訪米の目的は、 ...

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2006年8月 2日

番外編3 韓国の皆さん、カムサ ハムニダ

今朝は朝食後、 大元C&Aのキムさんに見送られてホテルを出発し、 空港に向かいました。 ちなみに、 このキムさんという方には感心しました。 彼女はまだお若いので...

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2006年8月 1日

番外編2 公園にはバーベルコーナー

朝、少しは運動しようと思い、 ホテルの近くにある南山公園に行き、 頂上にあるソウルタワーまで登りました。 公園ではたくさんの人たちがウォーキングやら、 バトミン...

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2006年7月31日

番外編1 いま、韓国に来ています

これで監督日誌を終わらせていただきます、 と書いた、その舌の根も乾かないうちに、 こうして監督日誌を書いています。 「ル=グウィンさんにお会いして、 その結果が...

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2006年7月29日

最終回 始まりは終わり、終わりは始まり

とうとう今日、公開日を迎えました。 お昼から行われた初日舞台挨拶に先立って、 午前0時から、カウントダウン舞台挨拶と称して、 TOHOシネマズ六本木ヒルズで鈴木...

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2006年7月27日

第百三十一回 1年前にタイムスリップ

全国キャンペーンも終わり、 久しぶりにスタジオに出社しました。 第一スタジオ2階の作画部は、すでに模様替えが済んでいて、 宮崎駿監督が次回作の準備に入っています...

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2006年7月26日

第百三十回 キャンペーン終了のビックリ仰天

今日はキャンペーンの最終日、 上越新幹線で新潟に向かいました。 すこしでも朝をゆっくりという、伊勢さんの配慮によって、 昼食は車中でのトンカツ弁当です。 前半戦...

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2006年7月25日

第百二十九回 ウナギをオシム

キャンペーンも、とうとう終盤です。 月曜日は新幹線で静岡に向かいました。 昼食をすませた後、 TV→雑誌の合同取材→新聞→ラジオ→TV→ラジオ とまわって、試写...

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2006年7月21日

第百二十八回 鈴木Pの女房役・伊勢ヤン

岡山から新幹線で東京に戻ってきました。 中途半端に疲れている感じで、 家に帰って呆然としています。 キャンペーンも残りわずか、 来週の月曜日が静岡、 火曜日が新...

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第百二十七回 既存館のあったかさ

今朝は遅めの出発だったので、 久しぶりに寝滅びていました。 新幹線で向かったのは岡山です。 岡山駅前のNHKでの収録を済ませたあと、昼食です。 今日は、喫茶店で...

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2006年7月20日

緊急レポート 危ない、鈴木さん!

危機が訪れています。 鈴木さんの晴れ男伝説のことではなく、 鈴木さんのお腹のことです。 なにしろ、 くる日もくる日も、車その他で移動するので、 ほとんど歩き回る...

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第百二十六回 「ゲソ戦記」in広島

昨晩は、 深夜2時過ぎまでインタビュー原稿のチェックをしていて、 さすがに、なかなか起きれませんでした。 激しくなっていく雨の中、松山から船に乗り、 見送るナヨ...

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2006年7月19日

第百二十五回 松山、空の均衡

今日は高知から松山に移動する日です。 その松山には、あのナヨチンが待っているはずです。 自称、雨男のナヨチンと鈴木プロデューサーの力は どのような均衡を保つのか...

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2006年7月17日

第百二十四回 宣プロ伊勢さんの不敵な笑み

朝、那覇空港に向かう途中で、 北谷町アメリカンビレッジにある MIHAMA7PLEXにお邪魔しました。 昨日のシネマQもそうなのですが、 沖縄の劇場はどこか楽し...

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2006年7月16日

第百二十三回 にふぇ~で~びる、沖縄!

先週よりさらに着替えで膨れたカバンを持って、 今日も朝早くに家を出て、羽田に向かいました。 なんで電車がすいているんだろうと思ったら、 今日は日曜日。 すっかり...

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2006年7月15日

第百二十二回 名古屋の大野さん

晴れ男ネタも、 こう続けると、どうかと思うのですが、 今日の名古屋の晴れっぷり、そしてその暑さは猛烈でした。 なにしろ、ここは鈴木プロデューサーの故郷なのです。...

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2006年7月13日

第百二十一回 移動三昧、喋り三昧、食べ三昧

朝目が覚めて、 外を見ると雨が降っていました。 昨日、鈴木さんの晴れ男ぶりを書いたのに、 とうとう命運尽きたかと思ったのですが、 移動先の大阪は晴れていました・...

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2006年7月12日

第百二十回 晴れ男、鈴木敏夫

今日は一日仙台です。 宿泊しているホテルで記者会見と取材があるので、 10時前に集合という、とてもありがたいスケジュールでした。 夕方、テレビの生放送とラジオの...

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2006年7月11日

第百十九回 弾丸ツアーは続く

さすがは北海道です。 札幌の朝は、とてもさわやかで気持ちが良い、 なんて思っているのも束の間。 朝7時15分にはホテルを出発、千歳空港に向かいました。 次に向か...

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2006年7月10日

第百十八回 北海道の静かな情熱

今日は朝から札幌へ出発です。 一泊だった先週と違って、 着替えで膨れて重くなったカバンを抱えて 羽田に向かいました。 飛行機の都合で到着が遅れ、 昼食はタクシー...

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第百十七回 今週の取材スケジュール

8日土曜日は、 せっかく金沢に来たのだから、少しは街を見ようと よせばいいのに午前6時半過ぎには起きて、 散歩にでかけました。 けれど、 ホテルを出て金沢城に到...

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2006年7月 8日

第百十六回 北陸シリーズ

昨日と今日は北陸3県です。 まず富山に入って、取材の梯子。 今まではホテルで缶詰だったのですが、 今回は新聞社、テレビ・ラジオ局に直接伺っての取材です。 移動は...

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2006年7月 7日

第百十五回 ついに完成披露試写

昨日は東京での完成披露試写でした。 会場に向かう前、 午前中はイマジカでDLPの試写を行いました。 (デジタル上映のための試写です) なにしろ、初号試写の時が以...

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2006年7月 5日

第百十四回 熊本城未練

今日午前中は、 リレーつばめに乗って福岡から熊本に移動です。 余談ですが、JR九州の列車は なかなかかっこよいデザインで良い。 30分前まで豪雨だったという熊本...

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2006年7月 4日

第百十三回 キャンペーン開始!

月曜日は、東宝本社で終日取材を受けました。 慣れてきたとはいえ、10本もまとめて取材を受けると さすがにヨレヨレです。 スタジオで取材を受ける分には、合間に外に...

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2006年7月 3日

第百十二回 宮崎駿監督の感想

先週の土曜日、 関係者の打ち上げパーティーがありました。 挨拶のために壇上に上がり、 ずらっと居並んだ大勢の方の顔を見たとき それまで考えていた挨拶の言葉をすっ...

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2006年6月29日

第百十一回 初号試写を終えて

昨日、五反田のイマジカで初号試写がありました。 自分としては、あとは完成したものを観るだけだと、 高をくくっていたのですが、 朝は5時過ぎに目が覚め、実は緊張し...

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2006年6月27日

第百十回 つきぬ心配

明日の初号試写以降の取材と 全国の映画館を回るキャンペーンの予定表をもらって、 そのスケジュールの過密さに仰天してしまいました。 これも監督の仕事だと言われれば...

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2006年6月26日

第百九回 空っぽ

今朝スタジオに入ったら、 沢山の人から「風邪、大丈夫ですか?」と声を掛けられました。 なぜ、みんな私の風邪のことを知っているのだ?と思ったら、 先日、自分で「風...

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2006年6月23日

第百八回 鼻がズビズビ

すっかり風邪を引いてしまいました。 この季節なのに鼻がズビズビしています。 今週初めのFinalMixの頃から熱っぽかったのですが、 それ以来、復活できない状態...

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2006年6月22日

第百七回 寂しさの原因

昨日、呆然と家に帰って、 今日はゆっくり寝ようと思っていたのですが、 いつもどおりに朝早く目が覚めてしまいました。 もう少し寝ようと目を閉じても、 なぜだかゲド...

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2006年6月21日

第百六回 終わってしまったのか……

今日20時、無事FinalMixも完了しました。 これで監督である私が立ち会うべき作業はすべて終わり、 あとは来週の初号試写を待つばかりです。 とはいえ、どうに...

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2006年6月19日

第百四回 祭りの終わりの予感

今日から3日間、いよいよFinalMixです。 先週の土曜日に事前にチェックした感じでは、 高木のブーくんたちの活躍で、 すでに相当完成度高く追い込んであり、 ...

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2006年6月16日

第百三回 ブー君のウヒヒヒ

ここのところ、毎日昼過ぎから、 MIXの様子を覗きに東京テレビセンター、 通称テレセンに行っています。 MIXの様子は先日書きましたが、 整音の高木さん、通称ブ...

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2006年6月12日

第百一回 宇宙戦艦ゲドMIX

音響関係のスタッフは、 都心のスタジオにこもりっきりで、MIXにいそしんでいます。 MIXを行うスタジオの部屋は巨大で、 大きなスクリーンの前にコンソールが並ん...

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2006年6月 8日

第百回 忙中閑あり

無事に、音楽のトラックダウンも終わりました。 とは言っても、20:30現在で、 寺嶋さんをはじめ音楽のスタッフは、 まだ微修正の作業を続けていますが・・・。 今...

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2006年6月 7日

第九十九回 音楽スタッフ、徹夜でハイ!

昨日と今日にかけて、 劇伴音楽のトラックダウンが行われています。 先日行われたのは、サントラアルバム用の 2chのMIXとマスタリングです(第九十七回を参照のこ...

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2006年6月 6日

第九十八回 タワレコ・イベントを終えて

昨日は渋谷のタワーレコードで行われた イベントのために、午後から半日外出していました。 午前中には、ロール1~3までの フィルムチェックが行われました。 フィル...

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2006年6月 2日

第九十七回 音楽スタッフたちの苦闘

今週は火、水、木と 都心のスタジオで行われている 劇伴音楽のMIXに立会いました。 スタジオにいる間に監督日誌を更新しようと PCを持っていったのですが、 すっ...

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2006年5月30日

第九十六回 トリは、菅原文太さん

本日でアフレコが完了しました。 アフレコの最後に登場したのは、 大賢人ハイタカ(ゲド)役の菅原文太さんです。 2日間で、全ての声を吹き込んで下さいました。 私が...

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2006年5月26日

第九十五回 天才バグパイプ奏者の参加

今回、「ゲド戦記」をつくるにあたって、 本当に、様々な幸運に恵まれています。 その一つがカルロス・ヌニェスさんとの出会いです。 劇伴音楽にバグパイプが使われるの...

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2006年5月25日

第九十四回 寺嶋さんとは、飲まねばなるまい

映画「ゲド戦記」の劇伴音楽は、 寺嶋民哉さんにお願いしています。 寺嶋さんの手がけた仕事としては、 最近では「半落ち」が有名ではないかと思いますが、 その他にも...

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2006年5月24日

第九十三回 みんなゾンビに

今日、1・5・6ロールの通しチェックも終わりました。 これでひとまず、映像の作業は終了です。 すっかりやることのなくなった各部の長である 山下さん、稲村さん、奥...

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2006年5月23日

第九十二回 撮影、終了!

昨晩、予定より若干早めに、撮影も全て終了しました。 モニターチェックが終わり、 「はい、これで終わり!」 と奥井さんが言った瞬間は忘れられません。 この先、いく...

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2006年5月22日

第九十一回 監督宣伝

主題歌・挿入歌を歌っていただいている 手嶌葵さんとの出会いは、 作品そのものの方向性に影響を与えるほどで、 とても幸運であったということは以前にも書きました。 ...

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2006年5月19日

第九十回 クモとウサギ

制作日誌にもあったように、 とうとう動画が終了し、 色彩設計の保田さんによる色指定も終わりました。 映像の作業は残りわずか、 仕上げと撮影を残すのみです。 今日...

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2006年5月18日

第八十九回 これぞ、主題歌

今、劇場の予告編やアサヒ飲料さんのCMで流れている、 皆さんご存知の「テルーの唄」という歌は、 本編中の挿入歌として流れる歌です。 そして、実はもうひとつ、本編...

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2006年5月12日

第八十八回 カッティングが終わった!

本日、無事に ロール5と6のカッティングが終わりました。 最終的な総尺は本編だけで約110分です。 最初に鈴木プロデューサーから「総尺90分で!」 と言われてい...

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2006年5月11日

第八十七回 時間をも変える音の力

最後のカッティングが終わろうとしている一方で、 すでにカッティングの終わっているロール1~4までは、 音楽に加えて、効果音、アフレコの作業もどんどん進んでいます...

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2006年5月10日

第八十六回 最後のカッティング

いよいよ今日と明後日が最後のカッティングです。 今の段階で、原画と作画監督、 そして美術は作業が終わりましたが、 まだ動画、仕上げ、CG、撮影は作業中です。 最...

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2006年5月 9日

第八十五回 撮影部、奥井さんのチラッ

ラッシュチェックの前には、 必ず撮影監督の奥井さんのモニターで、 最終的な画面をチェックします。 以前、制作日誌にも出ていたと思いますが、 作業中の奥井さんは、...

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2006年5月 8日

第八十四回 私の家庭教師

スタジオの中で、私に対して一番歯に絹着せずに、 色々なことを言ってくれるのは、色指定の保田さんです。 それは感想であったり、助言であったり、 そして時には叱責も...

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2006年5月 3日

第八十三回 テルーが歌う

すでに予告編をご覧になって、 「テルーの唄」を耳にされている方も多いと思います。 この歌は映画「ゲド戦記」の本編中、 物語の大切な鍵になるシーンに流れる挿入歌で...

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2006年5月 1日

第八十二回 岡田アレン登場!

先週の土曜日から、 登場人物に声をつけるアフレコが始まりました。 前回、主人公アレンと作画監督の稲村さんのことを書きましたが、 そのアレン役の岡田准一さんからの...

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2006年4月28日

第八十一回 稲村さん、アレンを描く

明日、4月29日から 予告編第2弾が劇場で上映されます。 予告編を見てもらうとわかるのですが、 主人公アレンが必死の形相で目をむきます。 これは、これまでのジブ...

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2006年4月27日

第八十回 制作陣のこと

「制作」とは、制作進行を担当する部署のことです。 その名のとおり、 制作の各段階をつないで進めていく段取り役です。 ジブリには渡辺さんを筆頭に、 制作日誌でおな...

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2006年4月26日

第七十九回 尻上がりの謎

時々、制作日誌に スケジュール表のグラフが載せられています。 縦軸が作業が終わったカット数、横軸が日付になっていて、 毎週ここに各工程の終了カット数が書き込まれ...

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2006年4月25日

第七十八回 気づきの春

最近、新緑がどんどんきれいになっています。 白っぽい緑だった木々の葉が、色を増していく今の季節は 日々、世界の美しさを感じることができます。 昨年庭に植えた一本...

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2006年4月24日

第七十七回 監督であること

先週末に、監督として初めて、 まとまった時間をとって本格的な取材を受けました。 そして、取材を受けながら、時に苦しい気分になりました。 なにしろ、まだ映画は完成...

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2006年4月21日

第七十六回 怒られる日々

前回書いたような考え方を絵作りの方針にしたものの、 それを具体的に検証する時間はほとんどないまま、 制作の実作業に入らざるを得ませんでした。 というのも、 すで...

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2006年4月20日

第七十五回 スタッフとのせめぎ合い

前回、前々回の続きです。 繰り返しになってしまいますが、 私が画面作りについて初めにイメージしたのは、 シンプルな力強さでした。 今の時代、世の中には情報が溢れ...

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2006年4月19日

第七十四回 影との戦い

前回、光と闇のことを書きました。 今回は光と影の話です。 以前にも書いたと思いますが、 キャラクターについては、 なるべくシンプルな絵作りを心がけるようにしまし...

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2006年4月18日

第七十三回 光と闇のこと

当たり前のことですが、 光がなければ真っ暗で何も見えません。 光があってこそ色が生まれ、物が見えてきます。 キャラクターの色は背景との関係によって決まってきます...

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2006年4月17日

第七十二回 あらためて、感謝

さて、今日から再び私宮崎吾朗が筆を執ります。 現在、原画、美術の受け持ちの仕事を終えたスタッフたちが 順に制作休暇に入っているため、 スタジオは以前より少し静か...

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2006年3月29日

第六十一回 ナヨチンでつなぐ

2日間、日誌を休んでしまいました。 現在、制作が佳境に入り、 毎日日誌を更新することが難しくなってきました。 そこで、先週書いたナヨチンという男に、 しばらくの...

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2006年3月24日

第六十回 口の悪さは親しさの証?

私は、思ったことがすぐ顔に出てしまうので、 たまに鈴木プロデューサーと一緒に大事なMTGなどに出ると、 帰り道にたしなめられます。 実は口も悪く、それは高校生の...

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2006年3月23日

第五十九回 リフレッシュは3階で

制作スタッフのいる2階では、 あまりゆるんだ顔はできません。 しかし、一日中しかめっ面というのも疲れます。 そんなわけで、日に何度か3階に出かけます。 そこには...

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2006年3月22日

第五十八回 春の日の充実

春分の日の昨日は、 いつにもまして充実した一日でした。 朝、会社に来て、山下さんと原画をチェックし、 終わるや今度は撮影部の奥井さんから声がかかり、 撮影のチェ...

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2006年3月20日

第五十七回 春とギア

春を感じたくて、 今日は久々に自転車で出勤しました。 先週から急に花が咲き始めました。 梅やコブシ、トサミズキ、沈丁花もいい香りです。 国分寺にはけっこう苗圃(...

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2006年3月17日

第五十六回 富士からの風

昨日16日は、風、雨ともに強く大荒れの天気でした。 そして今日も引き続き、風が強い。 このところ、めっきり春めいて空気が霞んできたため、 会社のある東小金井から...

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2006年3月16日

第五十五回 カッティングの痛み

昨日、初めてのカッティング(編集)が行われました。 もちろん、先日書いたように、 カッティングは作品の演出に大きな影響を及ぼす、 とても大切な作業です。 そして...

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2006年3月15日

第五十四回 アニメーションの代償行為

予告篇が公開されて、約2週間が経ちました。 ジブリの広報部には、劇場やテレビで観ていただいた方から、 たくさんの感想が寄せられています。 そして、その多くは、 ...

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2006年3月14日

第五十三回 ロゴスの高畑、エロスの宮崎

いよいよ明日はカッティングです。 カッティングは3回に分けて行われ、 明日は全体の約3分の1を行う予定です。 カッティングを迎えるにあたって、 ここ2週間ほど、...

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2006年3月13日

第五十二回 この絵柄でいくと、腹をくくる

イメージボードを描く際、 最初から、絵柄を宮崎駿的なものにしようとは 思っていませんでした。 まず、あったのは、 シンプルで力強いものにしようということ。 しか...

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2006年3月10日

第五十一回 「宮崎さんの絵とそっくりですね」

プロットの作成と並行して、 私は、考えてきたシーンや集めてきた関連資料など、 それまで積み重ねてきたさまざまな材料を総動員して、 イメージボードを描いていました...

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2006年3月 9日

第五十回 宮崎駿からの贈り物

実は、宮崎駿監督は映画『ゲド戦記』に、 2つの贈り物をしてくれました。 本人に、そのつもりはありませんでしたが。 ひとつは前回書いた 「『シュナの旅』をやればい...

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2006年3月 8日

第四十九回 竜と少年とシュナ

映画『ゲド戦記』の企画では、 ストーリーとキャラクターや背景美術といった絵柄を 平行して考えてはいましたが、 どちらかといえば、ストーリーの作成を先行させていま...

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2006年3月 7日

第四十八回 圧倒的な背景美術

先日、映像が完成しているカットをまとめて観てみたのですが、 その絵画的な背景は、まとまった量を観ることで、 圧倒的な存在感を持って迫ってきました。 その背景美術...

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2006年3月 6日

第四十七回 写実を超えたリアル

前に例に挙げた 『太陽の王子 ホルスの大冒険』や『風の谷のナウシカ』といった かつてのアニメーションは、背景美術は一枚一枚が、 「絵」として描かれていたように思...

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2006年3月 3日

第四十六回 絵としての豊かさを出す

キャラクターをシンプルなものにするならば、 当然、背景美術もそれにあったものにしなければなりません。 ざっくりとしたキャラに、細密画ふうの美術はなじみません。 ...

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2006年3月 2日

第四十五回 絵の緻密さよりも芝居を!

では、シンプルな絵であれば、 アニメーターの負担も減り、描くのが簡単になるかというと、 決してそんなことはありません。 というのも、 ディティールを省略しながら...

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2006年3月 1日

第四十四回 「動かす」ためのシンプルさ

先日、シンプルな絵を目指す理由として、 「言葉」をより力強く伝えるためと書きました。 キャラクターの絵をシンプルにすることのメリットは他にもあります。 それは、...

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2006年2月28日

第四十三回 「新古典主義」宣言

前回、映画『ゲド戦記』の目標のひとつとして、 「シンプルな絵で、アニメーション本来の魅力を取り戻したい」 と書きました。 しかし、この「シンプル」という言葉は、...

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2006年2月27日

第四十二回 シンプルな絵で、力強いアニメーションを

2月25日から、 全国の劇場で『ゲド戦記』の予告篇がかかり始めました。 それを観た人は、 そこで流れる歌の、素朴な優しさに打たれると同時に、 キャラクターの絵柄...

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2006年2月24日

第四十一回 作品だけが父を知る手段だった

それ以前のことは私にはわかりませんが、 物心ついてからずっと、父は不在がちでした。 そうは言っても、やっぱり、 母のことが大好きなのと同じように、 私は父のこと...

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2006年2月23日

第四十回 母の反対

私は、ずっとアニメーションの世界に入ることを避けてきました。 この日誌の前口上で、 「(私が監督を務めることを)父は反対だった」 と書きましたが、それが理由では...

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2006年2月22日

第三十九回 父としては0点、監督としては満点

私にとっての宮崎駿は、 「父としては0点、監督としては満点」です。 父は、ほとんど家にいませんでした。 だから私にとって、 子どもの頃は、母が父親がわりでもあっ...

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2006年2月21日

第三十八回 予告篇の正体

さて、前にも書きましたが、2月25日(土)から、 全国の劇場で『ゲド戦記』の予告篇がかかり始めます。 通常、映画の予告篇は1分前後なのに対して、 これは約3分と...

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2006年2月17日

第三十七回 イタリアを走るか、登るか、滑るか

あまり観る機会はないのですが、 聞くところによると、 トリノオリンピックで、日本勢はなかなか苦戦しているようです。 メダル、メダルというのもどうかと思いますが、...

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2006年2月16日

第三十六回 「ヤマケイ」ときどき「岳人」

ちょっと立て込んでいて、 この日誌の更新がだいぶ滞ってしまいました。 「毎日」と銘打っておきながら、失礼いたしました。 閑話休題。 最近見ておもしろかったのが、...

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2006年2月10日

第三十五回 路地の湿っぽさを描く

おとといの夜、 男鹿和雄さんが美術ボードを持ってきてくれました。 男鹿さんは、映画「となりのトトロ」の美術監督で参加したのを皮切りに、 以後ほとんどのジブリ作品...

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2006年2月 9日

第三十四回 パンはケチるな

アニメーション映画監督だからといって、 毎日が波瀾万丈というわけではありません。 だから、ネタがそこら中に転がっているわけではありません。 昨日は、ただ、ただレ...

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2006年2月 8日

第三十三回 作画監督・山下さんの口癖

昨日いつものように、 作画監督の山下さんと原画のチェックを行いましたが、 全部で約20カット、大きな直しを必要とするものは、 ひとつもありませんでした。 作業も...

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2006年2月 7日

第三十二回 ル=グウィンさんの息子

先日、『ゲド戦記』の原作者ル=グウィンさんの息子である テオさんがジブリにやってきました。 テオさんは、ル=グウィンさん側の窓口となって、 いろいろと対応してく...

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第三十一回 蝋梅は狼狽にして梅にあらず

昨晩は、短い時間でしたが結構な量の雪が降りました。 深夜、あたりは一面の銀世界になりましたが、 その後、雪は雨に変わり、 アスファルトに積もった雪は、大方流れて...

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2006年2月 3日

第三十回 聞こえないはずの声が……

実は昨日、半休をとってしまいました。 ここで休んでおかないと、いつまでたっても治りきらないと考え、 午前中は家で寝ていました。 先日、「ここで休むわけにはいかな...

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2006年2月 2日

第二十九回 KKD

作画にしろ、色の指定にしろ、 毎日、現場でその道のプロとやり取りをしていて思うのは、 本を読んで勉強してもしょうがない。 それよりも、見逃さず、聞き逃さず、 技...

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2006年2月 1日

第二十八回 魔の季節

おととい、きのうと日誌をお休みいたしました。 いま、風邪ひきギリギリです。 前の日曜日は完全にダウンしていました。 昼に起きて、飯を食べてから夕方まで寝て、 ま...

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2006年1月27日

第二十七回 ドコモダケに変身

昨日に続き、自転車ネタを続けます。 アニメ業界には、なぜか自転車好きが多くいて、 毎年、東京都稲城市から長野県諏訪郡まで 約160キロのツーリングが開催されてい...

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2006年1月26日

第二十六回 ズボンがゆるゆる

最近、それまで太もものところがぴったりしていたズボンが、 いつのまにかゆるゆるになっていることに気がつきました。 その原因は、明白です。 この冬は、去年の12月...

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2006年1月25日

第二十五回 主題歌を聴きながら

昨日は、百瀬さんの担当したレイアウトの上がりを 1日かけてチェックしました。 ラストシーンを中心に、25,6枚あったでしょうか。 年明けから、百瀬さんのペースが...

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2006年1月24日

第二十四回 朝の日課は、数字とにらめっこ

今日は、特にネタが思い浮かばないので、 私の朝の日課を紹介します。 私は、毎日9時ごろ出勤すると、 まず自分の机の上のノートパソコンを立ち上げ、 自分で作った、...

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2006年1月23日

第二十三回 予告編ができた!

まずはお礼を。 第二十一回「モテる努力をしないでモテたい!」で、 「グループ魂」のCDを美術部から借りてきて、聴いたら笑った、 というようなことをこの日誌に書い...

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2006年1月20日

第二十二回 押井守監督の最新作を観た

昨日、ジブリの試写室で 押井守監督の最新作『立喰師列伝』の試写を観ました。 その感想を述べる前に、ちょっと昔話をします。 今を去ること20年前、まだ高校生だった...

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2006年1月19日

第二十一回 モテる努力をしないでモテたい!

昨日、レイアウトを長時間描きどおしで気持ちが煮詰まってきたので、 美術部から借りてきたCDを片方の耳にイヤホンを挿して聴いていました。 と、そこに取材中のNHK...

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2006年1月18日

第二十回 焼肉を食べたのはいいけれど……

昨日、とある会があって、 スタッフと一緒に焼肉を食べにいきまいた。 焼肉を食べたのは久しぶりで、とてもおいしかったのですが、 このところ野菜中心の素食が続いてい...

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2006年1月17日

第十九回 魔法のような「魔法」

昨日、鈴木プロデューサーが予告編を作るために、 あらためてライカリールを観た後、 「この映画は、年寄りに冷たすぎるんじゃないか」と 冗談めかして言っていました。...

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2006年1月16日

第十八回 夜、東京から富士は見えるか?

映画『ゲド戦記』の印象的なシーンの一つに、 月夜のシーンがあります。 実写ではなくアニメーションなので、 当然手で描かなければなりません。 さて、流れる雲に月が...

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2006年1月13日

第十七回 「色」に目からウロコする

昨日は、仕上げ部の長である保田さんがお休みに入っているため、 その後を任された2人のスタッフと一緒に、 思ったような色がなかなかでなくて、 モニターを見ながら、...

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2006年1月12日

第十六回 スタッフの共感

このところ原画がどんどん上がってきて、 キャラクターが形になるにしたがって気づいたことがあります。 キャラクターが、特に主人公のアレンとヒロインのテルーが、 “...

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2006年1月11日

第十五回 女神をつかまえた!

昨日は、午後1~5時までヒロインの少女の声の録音が行われました。 誰が声を当てたのかは、まだ言えないのですが、 昨日は3度目の録音で、特にうまくいきました。 そ...

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2006年1月10日

第十四回 NHK荒川君となよちん

いまジブリには、鈴木プロデューサーを扱った 「プロフェッショナル」という番組制作のため、 NHKの取材クルーが連日のように入っています。 クルーの構成はディレク...

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2006年1月 6日

第十三回 雲間からの光

映画の舞台は、アースシーという多島海世界。 本来、人間しか住まない東の海に 突如、竜が現れるところから、この物語は始まります。 昨日は、 百瀬さん、撮影部の奥井...

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2006年1月 5日

第十二回 雑談もまた勉強

あけまして、おめでとうございます。 制作日誌で書かれているように、 3日から出社していたのですが、 制作に集中するため、日誌はお休みしていました。 これまでは、...

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2005年12月30日

第十一回 ただ、実践あるのみ

いよいよ年が暮れようとしています。 『ゲド戦記』の制作も、 今年9月に作画インして、約4ヶ月がすぎました。 いまのところ、とても順調に進んでいます。 今回は、今...

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2005年12月29日

第十一回のはずでしたが…

遅ればせながら、ジブリは今日が仕事納めで、 ささやかながら、社内で手づくりの宴が催されました。 ごめんなさい。 宴を楽しむあまり、すっかりペースを乱してしまい、...

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2005年12月28日

第十回 大賢人ゲドと社長スズキ

今年も、残すところあとわずかとなりました。 今朝、会社に来る途中、電車についているテレビを見上げると、 画面には「今日は仕事納めですね!」の文字。 でも、ジブリ...

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2005年12月27日

第九回 「する人生」の先輩は、父と鈴木プロデューサー

「する人生」とは、 目標を持ってそれを成し遂げようとする人生です。 その動機は、富や名声を得たいというものから 人を感動させたいというものまでさまざまです。 一...

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2005年12月26日

第八回 「する人生」を選んでしまった

連休で間があいてしまいましたが、 もう少し「ある人生とする人生」の話を書きます。 「ある人生」の大切さを説くゲドの言葉に衝撃を受けたのは、 私が、そのときまさに...

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2005年12月22日

第七回 第三巻の衝撃

この歳になって『ゲド戦記』第三巻を読み返してみて、 私は3つのテーマに惹きつけられました。 ひとつは「する人生とある人生」について もうひとつは、「生と死」につ...

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2005年12月21日

第六回 クローバーの寝顔

昨日予告したとおり、今日はちょっと肩の力を抜いて、 夜の庭で見つけた「発見」について書きます。 クローバーがどんな姿で眠っているか、知っていますか? クローバー...

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2005年12月20日

第五回 自分自身が真の敵だった

それまで、魔法使いの物語のイメージといえば、 無力で善良な主人公が魔法の力を身につけ、 倒すべき悪者や、克服すべき環境を、 いかに乗り越えるかというものでした。...

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2005年12月19日

第四回 理解が実感に変わった

なぜ、かつては共感した第一巻の少年ゲドのがむしゃらな生き方が、 20年後あらためて読んだとき、鼻についたのか、 理由を考えてみました。 抽象的なものはいくつも思...

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2005年12月16日

第三回 38歳になって読んでみると

たとえば第一巻で、ゲドは最初、 偉大な魔法使いであるオジオンのもとで修行をすることになります。 しかし、オジオンは一向にゲドに魔法を教えようとはしません。 つい...

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2005年12月15日

第二回 高校生のときは第一巻が好きだった

 前回は、映画化の企画を考えるにあたって『ゲド戦記』を読み直してみると、魔法についての新鮮な発見があったという話を書きました。  世の中の理を知ること。物が持っ...

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2005年12月14日

第一回  『ゲド戦記』だからやろうと思った

 昨日、『ゲド戦記』の公開が正式に発表されました。今朝、新聞・雑誌を見て、あまりにも大きな反響に驚いていますが、これにひるむことなく、いつもと変わらず制作を続け...

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